Motorola向けに開発されたUNISOC製のUNISOC T700を搭載したmoto g20のAnTuTu Benchmark v8およびv9スコアが判明しましたので、同社製品のUNISOC T740(旧T7510)とUNISOC T618、UNISOC T610と比較します。
現在のAnTuTu Benchmarkはv9が主流ですが、後述する理由によって一部の比較でv8スコアを採用しています。そのため、v9とv8を混同しないように気をつけてください。
UNISOC T700はMotorola向けに開発された専用SoC(大本のLenovoも使用する可能性)で、主なスペックはTSMC製12nm FinFET、CPUは2xA75 1.82GHz+6xA55 1.82GHzのオクタコア構成、GPUはMali-G52 MP2 @850MHz、RAMはLPDDR4X(1866MHz)、内蔵ストレージはeMMC 5.1、4G LTE通信に対応しています。
CPUはUNISOC T610と同じ、GPUはUNISOC T618と同じなので、理論上の性能はUNISOC T618>UNISOC T700>UNISOC T610になるでしょう。
UNISOC T700のAnTuTu Benchmark v8スコアはCPU性能は67,269点、GPU性能は43,626点、MEM性能37,455点、UX性能は42,107点で総合性能は190,457点という結果になりました。
UNISOC T610のCPU性能が65,992点、UNISOC T618のGPU性能が41,125点なので双方とも少しずつUNISOC T700が優れています。これはAndroid 11を初期搭載していることや、Motorolaという著名企業が採用することで“最適化”が正しく行われているのが要因だと考えています(比較対象の製品はTeclast M40とM40 SE)。
そしてCPU+GPU性能を見るとUNISOC T700が110,895点、UNISOC T618は111,112点、UNISOC T610は97,130点となっており、本当に微妙な差ですがスペック通り間に収まっています。
AnTuTu Benchmark v9はRAM 6GB未満やVulkan APIをサポートしていない場合、通常の3D性能ではなく3D Lite性能を計測します。初搭載機のmoto g20はRAM 4GBのためv9で計測するとGPU性能はLiteのものになり、RAM 6GB以上の製品しかないUNISOC T740やUNISOC T618との比較は不適当になるためv8で比較しました。
とはいえv9を使わないのはもったいないなく、RAM 4GB+UNISOC T610のTeclast M40 SEのv9がスコアが見つかったのでUNISOC T700とUNISOC T610のみの比較を行います。
UNISOC T700のAnTuTu Benchmark v9スコアはCPU性能は64,909点、GPU性能(Lite)は43,130点、MEM性能は39,705点、UX性能は59,847点で総合性能は207,591点という結果になりました。
UNISOC T610とCPU性能はほぼ同じでGPU性能はUNISOC T700が高いので、こちらもスペック通りの性能が発揮されているでしょう。