2021年のSシリーズのGalaxy S21(SM-G9910) 8GB+256GBを購入したので簡単にレビューします。購入先はExpansysやイオシスではなく少しだけ価格の安かったeBayを選択。ただこの選択は少し失敗しました。
G9910には中国大陸版と香港版、台湾版の3種あり、これらの見分け方としてアップデートの際に最下部に記されているURLから判断でき、中国版がCHC、香港版がTGY、台湾版がBRIとなっています。今回入手したGalaxy S21はBRIが記されていたため台湾版で、何故か日本でそれなりの数が流通している香港版と細かいところに違いがあるかもしれません。
Galaxy S21、Galaxy S21+、Galaxy S21 Ultraのスペックを簡単にまとめたのが上の画像です。Galaxy S21を選んだ理由としてGalaxy S21+との違いは画面の大きさ、バッテリーの容量だけで「価格差がそれなりにある」ということ、Galaxy S21 Ultraは全てが高性能に仕上がっていますが「そこまでのスペックはいらない」事を考慮した結果です。
そして、数あるAndroid搭載製品の中からGalaxy S21を購入したのは「まともな製品」が欲しいと思ったからです。以前はXiaomi Mi MIX 2Sを使用していましたが60HzのディスプレイやMeizu 17で最新SoCに触れているがゆえの非力さに気付き「そろそろ替えないといけない」と思い始めたのが2020年10月で、「近く新しいGalaxy Sシリーズが発表されるしもう少し待ってみよう」と思い、実際に発表されると結構好きなデザインなのでGalaxy S20シリーズではなくGalaxy S21を選択しました。
購入したのはPhantom Violet(ファントムバイオレット)で、カメラ部分の装飾が他の色と比べて特別な感じに見えます。カメラの個数も3個と少数精鋭で、昨今は1億800万画素や50倍のズームに対応した製品もありますが、Galaxy S21はどちらかというとウェブブラウジングやゲームの利用が主になるので、必要最小限のカメラがあれば良いと判断しました。
そして、大きな特徴として台湾版はデュアルSIM(物理+物理)に対応しています。日本市場で販売される製品は様々な事情によってシングルSIMになるので、同じ端末で複数のSIMが利用出来るのは優位点だと思います。
重量は実測で170g。数値だけ見ると軽く感じますが、実際に手に持った時は手前側(下部)に寄っているのか実際の重量よりも重く感じ、慣れるまで少し時間がかかりました。意図して寄せているなら正直そのこだわりは捨てたほうがいいと思います。
指紋認証は超音波式で高速認証です。触れるというよりは少し押し込む形になりますが、ほんのわずかでロック解除に成功します。同じ操作を光学式で行うと必ず認識に失敗するので、慣れると超音波式から離れられません。
台湾版のGalaxy S21はSnapdragon 888 5Gを搭載し、全てのゲームが快適・・・と思いきや“最適化”によって実力を発揮できていないと感じます。特にリズムゲームのプロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク(通称: プロセカ)は全く最適化されていないのでフルコンボは力量でどうにかなりますが、オールパーフェクトはまず無理です。日本市場では数日後にSnapdragon 888 5G搭載製品が販売されるので、その時には最高のパフォーマンスを発揮できると思います。
ウェブブラウジングやSNSの利用ではストレスを感じることは一切ありません。最大120Hzのリフレッシュレートも相まってすべてが快適で、調べ物が非常に多い私にとってはこれ以上のない体験を得られました。
カメラは広角1200万画素(f1.8/OIS)+超広角(f2.2)+望遠6400万画素(f2.0/OIS)のトリプルカメラで、通常は広角カメラで撮影を行います。晴天のもと撮影を行いましたが、シーン別の最適化も早く、きれいに撮影できていると思います。(写真はサイトの都合上圧縮・縮小を行っています。)
30xズームは初めての経験で、肉眼では識別できないものもGalaxy S21を利用することで確認できます。今までは大してきれいでもない10xズームを利用し「ズームって良いこと無いなぁ」と思っていましたが、大きく認識を変えることになりました。とりあえず30xズームをしてみるといった行動が増えました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のさなかで夜出歩くことが全く無いので夜景の写真はありません。ビデオは最大8K@24FPSの撮影に対応し、4Kは60FPSに対応しています。スローモーション撮影はHD@960FPSです。
バッテリーは4000mAhを搭載し、SOT(Screen On Time)は1週間計測してみましたがその日の使用によって異なるのは留意して最長で7時間54分、最短で6時間17分で平均すると6時間30分は使用し続けられる計算です。
充電は、有線充電はBaseus GaN Mini Quick Charge US(最大65W)を利用し、ワイヤレス充電は同じ充電器から最大10WのMEIZU Wireless Charger WP01を接続しています。いずれも10%から開始し、有線は60分で93%、69分で満充電、ワイヤレスは60分で36%となりました。起きている時にすぐに充電したい場合は有線、寝る時はワイヤレスにわけて使用するといいでしょう。
総合的な評価としてGalaxy S21はS21シリーズの標準モデルということで全てが高い水準で平均的にまとめられていると思います。3年間のOSアップデート、4年間のセキュリティパッチ更新、120Hz+FHDのAMOLED、Snapdragon 888 5Gと2021年において必要なものが全て揃っています。これがタイトルの“Normal Phone of 2021”を意味します。
Galaxy S21はスペックでいくつか不評が見受けられますが、私はそこまで気になりません。前代と比べて解像度はGalaxy S20はWQHD+でGalaxy S21はFHD+ですが、120Hz利用を主とする場合はどちらもFHD+になるのでそこまで差を感じませんし、RAM容量は12GBから8GBに“大幅に”削減されていますが現在において12GBはまだ求められていない領域だと思うので、減った事自体は悲しい現実ですが特別問題だとは思いません。そしてMicroSD非対応ですが、Galaxy S21(やGalaxy S21+)に限れば写真もビデオも大容量になりにくいのでこれも問題はないと思います。
色々問題ないと言いながら、このレビューを書いてて思ったのですが、価格の面だけで考慮するとGalaxy S20 Ultraを狙うのも良いかなと感じます。ディスプレイやSoCの世代、カメラなどを見ても大いに選ぶ意味はあり、“より優れたもの”がお手頃に欲しいのであればGalaxy S20 Ultraを、最新かつ優れた小型製品が欲しいならGalaxy S21を選ぶと良いかもしれません。私の場合はインドア派で優れたものは欲しいが優れすぎているものは必要ないので、Galaxy S21を選択しました。
私にとって「最新のまともな製品」のGalaxy S21、RAM 8GBの限界が来た時には買い換えるかもしれませんが2021年や2022年においてそのようなことはないと思うので、デイリードライバーとして利用していくと思います。