5Gモデムが内蔵されているHiSilicon製プロセッサーのHuawei Kirin 990 5GがGeekbenchに姿を現しました。2019年9月27日現在Kirin 990 5Gが搭載されているのはHuawei Mate 30 5G、Huawei Mate 30 Pro 5G、Huawei Mate 30 Porsche Designの3機種で、Huawei Mate 30 5GとHuawei Mate 30 Pro 5Gは中国市場では11月1日より、Huawei Mate 30 Porsche Designは11月10日より販売開始となります。
今回姿を現したKirin 990 5GをKirin 990、Kirin 980、Kirin 810と簡単に比較をしたいと思います。今回は最新バージョンとなるGeekbench v5にて姿を確認できましたので、全てのプロセッサーはGeekbench v5のスコアを使用しています。Geekbench v5はGeekbench v4からスコアの計上方法が変わっていますので注意してください。
かんたんなスペック表はこのようになります。Kirin 990 5Gは他のプロセッサーとは違って5G通信に対応しているところとEUV露光を用いた7nm+ EUV FinFET製造プロセスが優位点となっています。この他Kirin 990 5GとKirin 990の違いはCPUクロック数とGPUクロック数で、Kirin 990 5Gの方が幾分か高く調整されています。Kirin 990シリーズにおける最高の性能を体験したい場合はKirin 990 5G搭載機の購入がマストとなります。
今回の比較に加えているKirin 810は7nm FinFETを採用したミドルハイ向けプロセッサーで、CPUに採用しているARM Cortex-A76コアはKirin 990やKirin 980と同じくHiSiliconによるカスタマイズが施されているコアなので比較するのに適していると考えています。
Kirin 990 5GとKirin 990はbigコアが2.86GHzのARM Cortex-A76コアなのでそれ程大きな差は出ていません。製造プロセスが異なっていますがそれ程影響を与えるレベルではないことがわかります。
ただKirin 990 5Gは2.86GHz+2.36GHz+1.95GHzでKirin 990は2.86GHz+2.09GHz+1.86GHzなのでマルチコア性能はしっかりと差が現れており、約6%の違いがあります。両プロセッサーはマルチコア性能で3,000点近い性能が算出されており、これはQualcomm Snapdragon 855やSnapdragon 855 Plusよりも性能が高いです。AnTuTu BenchmarkでのCPU性能でもKirin 990はSnapdragon 855とSnapdragon 855 Plusよりも高い性能が算出されていますので、Kirin 990 5Gではどの様なスコアが算出されるのか楽しみです。
開発者向け隠しコードを利用すると細かいCPUクロック数が判明しました。2コアのA76は2861MHz、2コアのA76は2360MHz、4コアのA55は1954MHzとなっています。
Huawei Kirin 990 5Gを搭載したHuawei Mate 30 5Gは8GB+128GBモデルが4999元(約75,500円)、8GB+256GBモデルが5499元(約83,000円)に設定されています。Huawei Mate 30 Pro 5Gは8GB+256GBモデルが6899元(約10万5,000円)、8GB+512GBモデルが7899元(約12万円)に設定されています。Huawei Mate 30 Porsche Designは12GB+512GBモデルのみで12999元(約20万円)に設定されています。