4月23日に発表されたMeizu 16sは発表会にてQualcomm Snapdragon 855を搭載していることが公開されましたが、Snapdragon 855 満血搾干版という特殊な名称を用いていました。基本的に満血版は高クロックモデルを表しており、Snapdragon 660の高クロックモデルやSnapdragon 821を採用した機種に用いられてきた名称です。
なので、Meizu 16sも何かクロック数が高いのかと思いましたが、調べてみると標準レベルである事がわかりました。
Meizu 16sのCPUは1xA76+3xA76+4xA55のオクタコア構成でクロック数が2.84GHz+2.42GHz+1.80GHzなので、これは標準レベルです。更に内部ファイルに記載されているGPU Adreno 640の最大クロック数は585MHzで標準レベル。つまり、全てにおいて標準レベルであることがわかります。
では何故満血搾干版の名称を用いているのかという謎についてですが、おそらくはこの性能を無駄にしないようにシステムレベルでカスタマイズを行っていることをアピールしたかったのだろうと思います。
Meizu 16sには本来は次期カスタムスキンのFlyme 8に搭載する予定であったAI機能のOne Mind 3.0を先行搭載しています。このOne Mind 3.0を駆使することでアプリの起動やバックグランド起動を最適化したり、ゲームプレイを最適化したり、バッテリーの減りを最適化したり、発熱や排熱を最適化することが可能になっています。このAI機能を使うことでSnapdragon 855の性能を余すこと無く発揮するため、満血搾干版の名称を用いていると推測できます。
ちなみにCPUをオーバークロックしている企業はありませんが、GPUをオーバークロックしている企業は4月27日現在2社存在しています。その2社はBlackSharkとXiaomiで、前者は特定の機能をオンにするとOC可能に、Xiaomiは隠しコマンドを入力することでOCが可能になっています。ちなみに数値は810MHzにOCされ、AnTuTuベンチマークでは大台となる40万点を超え、GPUの点数は19万点程度にまで跳ね上がります(585MHzでは15万点程度)。