Qualcommが2018年8月に発表したQualcomm Snapdragon 670 Mobile Platform(以下Snapdragon 670)を搭載したOPPO R17が発表され、複数のメディアに配布された結果AnTuTuベンチマークやGeekbenchのスコアが判明しました。
今回、Snapdragon 670がどれほどの実力なのかを分かりやすくするため、Snapdragon 660とSnapdragon 710と比較を行います。今回の比較はベンチマークスコアで行っていますので、実使用感は考慮していないことをご容赦ください。
スペックは上画像のようになります。Snapdragon 670はSnapdragon 660の正統後継機として開発されています。
Snapdragon 660と比較して製造プロセスが微細化、CPUは4+4のオクタコア構成から2+6のオクタコア構成に変更し、高性能なA75とA55コアを搭載しています。この他、GPUがフラッグシップモデル向けプラットフォームのSnapdragon 845に採用されているAdreno 600シリーズの下位クラスとなるAdreno 615を搭載しています。
GPUクロック数に“(?)”が付いているのは微博ユーザーの @肥威 氏による負荷実験で判明したものなので、確実性がないことからこの表記を採用しています。Snapdragon 660のクロック数はXiaomiがXiaomi Mi 6Xにて正式に公開しています。
総合性能ではSnapdragon 670はSnapdragon 660の106%、Snapdragon 710の92%の実力となっています。
CPU性能には大きな差がないように見られますので、GPU性能で差が生まれているのでしょう。
CPU性能ではSnapdragon 670はSnapdragon 660の92%、Snapdragon 710の89%の実力です。
後継機として開発されているのにSnapdragon 660のスコアが高いのは、全体的なクロック数の低下に加え、高性能なA75コアを採用したものの2コアしか搭載していない点が考えられます。
GPU性能ではSnapdragon 670はSnapdragon 660の140%、Snapdragon 710の89%の実力です。
Snapdragon 670にはAdreno 600シリーズのAdreno 615が搭載されていますので、クロック数は低いもののSnapdragon 660を上回る結果になっています。
UX性能でのSnapdragon 670の実力はSnapdragon 660の108%、Snapdragon 710の95%となっています。
この数値が高いと快適性が高いということになります。今の所快適に利用できる(文句の出ない)数値は4万点以上が目安になっていますので、どのSoCでも満足の行く利用は出来そうです。
MEM性能はRAMと内蔵ストレージ読み書きの速さを計測し、この数値が高いとCPU性能も高くなります。
RAMや内蔵ストレージの規格によって数値が変わる部分なので、どれだけベンダーが内部までこだわっているのかわかる数値のようなものです。
Geekbench 4での計測結果です、シングルコア性能はSnapdragon 660の106%でSnapdragon 710の91%、マルチコア性能はSnapdragon 660の99%でSnapdragon 710の98%の実力です。
A75コアを採用したことでシングルコア性能ではSnapdragon 660を上回っていますが、マルチコア性能ではA75とA55を搭載していますが4+4ではなく2+6の組み合わせに加えて総クロック数が低いので数値としては上回ることなく同程度という結果になりました。
総合的に見ると性能はSnapdragon 710>Snapdragon 670>Snapdragon 660になり、上手な開発ができていることが伺えます。ただ、CPU性能ではCPU性能ではSnapdragon 660に負けてしまった結果が出ており、A75コアを2.1GHzにすることは出来なかったのかと疑問が浮かびます。
GPU性能ではしっかりと差が生まれており、より快適にゲームをすることが出来るでしょう。
CPUやGPUを見るとSnapdragon 670はSnapdragon 660の後継機というよりはSnapdragon 710の廉価モデルと考えるとしっくり来るかもしれません。
今の所Snapdragon 670採用機はOPPO R17のみですが、vivoやXiaomiも採用すると考えています。「ハードウェア製品の利益率を永久的に5%以下に抑える」と発言したXiaomiがこのSoCを搭載していくらになるのか見ものですね。
ちなみにOPPO R17は6GB+128GBモデルが3199元なのでコストパフォーマンス比(AnTuTuベンチマークスコア÷価格)は49点、8GB+128GBモデルが3499元なので45点となります。基本的に90点以上でコスパが良いと言えますので、その半分となるOPPO R17は決してコスパが良いスマートフォンとは言えないでしょう。とは言えOPPOのスマートフォンはカメラや音楽、ハードウェアやソフトウェアに力を入れているベンダーですので、コスパが良くなくても問題はありません。
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