台湾の半導体メーカーのMediaTekがミドルレンジ向けプロセッサー「Helio P22(MT6762)」を5月23日に発表しました。
初搭載機種はvivo Y83で、5月15日に発表済みです。
MediaTek Helio P22のスペックは、製造プロセスがTSMC 12nm FinFET、CPUがARM Cortex-A53(2.0GHz)x8のオクタコア構成、GPUはImagination Technologies PowerVR GE8320(650MHz)でコア数は不明、ISPは最大2100万画素でデュアルカメラは1300万画素+800万画素(30fps)、RAM規格はLPDDR3は933MHzとLPDDR4xは1600MHz、最大RAM容量は6GB、ストレージ規格はeMMC 5.1、LTEカテゴリーはCat.7(300Mbps)/13(150Mbps)、WLANは802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0、GPS、GLONASS、BeiDou(北斗)、Gallileoとなっています。MediaTekの急速充電規格Pump Expressを採用。
対応ネットワークは全ての通信(FDD-LTE/TD-LTE/W-CDMA/TC-SCDMA/CDMA2000/GSM)、アメリカのT-Mobileが採用する600MHzのBand 71に対応、DSDVとなるデュアルVoLTE/ViLTE/VoWi-Fiに対応、対応解像度は20:9のHD+(1600×720)となっています。
AI機能を重視したSoCで、写真を撮影する時に活用したり、顔認証システムの際に活用したりするようです。
Helio P22を搭載したvivo Y83(vivo 1726)はGeekbenchで複数確認することが出来、シングルコア性能は840点でマルチコア性能は3,681点となっています。一方で同じA53x8を採用したSnapdragon 625がシングルコア性能が810点でマルチコア性能が4,100点になっていて、マルチコア性能で大きな差が付いています。製造プロセスは12nm FinFETのHelio P22の方が優れていますが、開発能力の差なのかわかりませんがSnapdragon 625の方が優れているとGeekbenchは表しています。
SoCのパフォーマンスとしてはSnapdragon 625の方が優れていますが、通信面で見るとBand 71やDSDVとなるデュアルVoLTE/ViLTE/VoWi-Fiに対応していますので、2018年に採用するSoCとしてはHelio P22の方がふさわしいでしょう。
今の所はvivoのみ採用していますが、主要ベンダーではOPPOやMeizuの採用の可能性が高いです。
MediaTekはHelio Xシリーズの開発を中止し、中価格から低価格のミドルレンジモデル向けのHelio Pシリーズに注力するという方針になっており、MWC2018ではSnapdragon 660に迫るHelio P60(MT6771)を発表しています。今回のHelio P22も中途半端なものではなく、市場にあったものがリリースされているので方針転換は正解だったと言えるでしょう。
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