台湾の半導体メーカーのMediaTekは2018年後半にフラッグシップモデル向けプロセッサーのHelio Xシリーズの開発を復活させる方針であることがDIGITIMESによって明らかにされました。
MediaTekは2016年に発表し、2017年に搭載されたスマートフォンがリリースされたフラッグシップモデル向けプロセッサーのHelio X30が、Qualcomm製フラッグシップモデル向けプラットフォームのSnapdragon 835に全く及ばないことから、2018年はHelio Xシリーズの開発を中止し、中価格から低価格のミドルレンジモデル向けのHelio Pシリーズに注力するという方針が明らかになっています。
MediaTekはフラッグシップモデル向けSoCがQualcommの旧世代のスペックと同じになっており、あらゆる国の消費者から「安物でスペックが低い」というイメージが付いています。
そのSoCをMEIZUは採用し続けたために中国での印象も少し悪くなっており、他メーカーでは脱MediaTekが進みつつあります。
DIGITIMESによると次世代通信規格「5G」に遅れを取りたくないために、2018年前半はHelio Pシリーズを、後半はHelio Xシリーズの開発を進める方針のようです。
そのHelio Xシリーズは製造プロセスはTSMC製7nmを採用し、AI機能のチップも搭載する予定です。
AppleやHiSilicon、SAMSUNGの自社開発SoCは自社のスマートフォンにしか使用していませんので、実質的にフラッグシップモデルはQualcommのみになることを危惧しており、対抗馬として開発するのが望ましいと判断したとのこと。
MediaTek製SoCが敬遠されているのは圧倒的なGPUのパワー不足ですので、いくら7nmの製造プロセスになったところで今までの開発を行うのであればQualcommに対抗するというのはおこがましいです。
最低でもGPUは12コア以上無いと消費者から喜ばれるSoCには成り得ないので、どこが足りないのかを見極めて開発して欲しいですね。
参考
- Apple A11 BionicとQualcomm Snapdragon 835とSAMSUNG Exynos 9 Series(8895)とHiSilicon Kirin 970とMediaTek Helio X30を比較
- MediaTek Helio X30とHiSilicon Kirin 970とQualcomm Snapdragon 835を比較
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