2022年12月に発表予定のSnapdragon 8 Gen 2(SM8550)の予想仕様が韓国の掲示板で公開されました。Snapdragon 8 Gen 2は命名規則を変更したSnapdragon 8 Gen 1の後継製品で、Xiaomi 13やvivo iQOO 10 Proなどの旗艦製品が採用すると考えています。
明らかになった予想仕様は、CPUは3.0GHzのCortex-X3を1基、2.5GHzのCortex-A710を3基、1.8GHzのCortex-A510を4基採用するようです。Cortex-A710とCortex-A510はArmが2021年に発表したCPU IPなので2022年は新製品の発表が期待されますが、今回の予想仕様からCortex-A720とCortex-A520の発表の可能性が低いことがわかりました。そして、Cortex-X3はCortex-X2と比較して性能は13%程度の向上が期待できますが、消費電力に関しては向上が期待できないようです。
CPUの動作周波数はSnapdragon 8 Gen 1と同じ数値ですが、2023年12月に発表予定のSnapdragon 8 Gen 3では違った周波数を採用する予定とされているため、Snapdragon 8 Gen 2を最後に新たな安定した周波数を計画するようです。また、Snapdragon 8 Gen 3のCPUはCortex-X4、Cortex-A720、Cortex-A520の採用が噂されているため、32bitの対応が完全に終了します。中国では未だに32bit版のアプリがいくつか存在するため、早急に対応を完了させないと面倒な自体が発生する可能性があります。
GPUはSnapdragon 8 Gen 1がAdreno 660からAdreno 730へ世代が向上しましたが、Snapdragon 8 Gen 2は第7世代のAdrenoのAdreno 740 @800MHz+を採用するようです。そのため、何か大きく変わることはなく、性能の向上が主な更新点になると思います。
この他、Snapdragon 8 Gen 1では非対応だったLPDDR5X(3750MHz)に対応し、製造はTSMCで行われ、プロセス技術はTSMC N4を採用するようです。Snapdragon 8 Gen 1はSamsung 4nmを採用していましたが、Snapdragon 8 Gen 2はTSMCへ移行し、Dimensity 9000が採用したTSMC N4で製造するようです。次の規格のTSMC N3は2022年下半期に量産を計画していると伝えられていますが、現在の情報では旧技術になるTSMC N4の採用が予想されていますので、採用する企業への早期納入や製造の安定性(歩留まりの高さ)を優先している可能性があります。