Qualcommが6月末に発表したミドルレンジモデル向けプラットフォーム「Qualcomm Snapdragon 439 Mobile Platform」を搭載したスマートフォンがGeekbenchに姿を現しました。
Snapdragon 439はSnapdragon 435の後継機として開発されており、QualcommによるとCPU性能は25%、GPU性能は20%の性能向上をしているようです。主なスペックは、製造プロセスが12nm FinFET、CPUがARM Cortex-A53(1.95GHz)のオクタコア構成、GPUはQualcomm Adreno 505でクロック数は不明です。
今回姿を現したのはvivo V1818Aというスマートフォンで、こちらは中国でvivo Y93として発表される予定です。vivo Y93は中国の移動体通信者の中国電信の子会社の天翼電信のデータベースに姿を現しており、そのデータベースではSnapdragon 439を搭載することが明らかになっているので、Snapdragon 439がGeekbenchに姿を現したということになっています。
Geekbenchによるとvivo V1818AのスペックはAndroid 8.1.0 Oreo、RAM 4GBとなっています。マザーボードの欄はQC_Reference_Phoneとなっていますが、これは従来機のSnapdragon 435を搭載したスマートフォンでも同じ表記が見つかります。
スコアはシングルコア性能が885点、マルチコア性能が3,238点となっています。今回、このスコアを様々なSoCと比較してみます。
比較に使用したのはSnapdragon 435(Xiaomi Redmi 4X)、Snapdragon 425(Meizu M8c)、Snapdragon 625(Meizu M6 Note)、Helio P22(Xiaomi Redmi 6)です。
シングルコア性能は2.0GHzのARM Cortex-A53を搭載したSnapdragon 625、Helio P22よりも優れていることがわかります。Snapdragon 625の製造プロセスは14nmなので12nmのSnapdragon 439が上回る可能性は大いにありますが、同じく12nmを採用しているHelio P22よりも上回るのは他に理由がありそうです。調べてみると浮動小数点演算の性能がSnapdragon 439の方が優れていると結果が出ています。マルチコア性能はクロック数が異なっているのでSnapdragon 625とHelio P22とは大きく差が開いてしまいました。
Snapdragon 439はSnapdragon 435からシングルコア性能が31%、マルチコア性能が34%成長していますのでQualcommの想定よりも大きく成長しています。
GeekbenchではGPUの性能を測定するComputeモードがありますが、そちらではvivo V1818Aは存在していませんでした。