Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6と8 Elite Gen 6が発表、長すぎる名称に見合う性能を秘める最新SoC

Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6と8 Elite Gen 6が発表、長すぎる名称に見合う性能を秘める最新SoC

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Qualcommは2026年9月22日にハワイ州のマウイ島でSnapdragon Summit 2026を開催し、フラッグシップ向け新SoCとしてSnapdragon 8 Elite Extreme Gen 6とSnapdragon 8 Elite Gen 6を発表しました。最上位と思われていた「Elite」ですが、さらに上の「Elite Extreme」が登場し名称がまたまた長くなりました。

 

名称 Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6 Snapdragon 8 Elite Gen 6 Snapdragon 8 Elite Gen 5
CPU 4th Gen Oryon CPU

2x Prime

3x Performance-H

3x Performance-L

(L2 Cache: 16MB)

4th Gen Oryon CPU

2x Prime

3x Performance-H

3x Performance-L

(L2 Cache: 16MB)

3rd Gen Oryon CPU

2x Prime

6x Performance

(L2 Cache: 12MB / 12MB)

識別子 81_3

81_3

81_3

81_3

81_3

81_3

81_2

81_2

リビジョン r0p1

r1p1

r2p1

r0p1

r1p1

r2p1

r3p1

r2p1

動作周波数 5.01GHz

4.03GHz

3.74GHz

5.01GHz

4.03GHz

3.74GHz

4.61GHz

3.63GHz

GPU Adreno 850 (12CU)

12x Adreno Matrix Core

(Adreno HPM: 18MB)

Adreno 845 (12CU)

(Adreno HPM: 12MB)

Adreno 840 (12CU)

(Adreno HPM: 18MB)

GPU (API) OpenCL 3.0 FP / OpenGL ES 3.2 / Vulkan 1.4 OpenCL 3.0 FP / OpenGL ES 3.2 / Vulkan 1.4 OpenCL 3.0 FP / OpenGL ES 3.2 / Vulkan 1.3
動作周波数 1450MHz 1350MHz (?) 1200MHz
NPU/DSP Hexagon NPU

12x Scalar

8x Vector

1x Tensor

1x Element

(Cache: 12MB)

Hexagon NPU

12x Scalar

8x Vector

1x Tensor

1x Element

Hexagon NPU

12x Scalar

8x Vector

1x Tensor

(Cache: 8MB)

カメラ Triple 20-bit Spectra AI-ISP

3億2000万画素 or 1億800万画素(ZSL) or 3x6400万画素(ZSL)

(Engine for Visual Analytics 5.0)

Triple 20-bit Spectra AI-ISP

3億2000万画素 or 1億800万画素(ZSL) or 3x6400万画素(ZSL)

(Engine for Visual Analytics 5.0)

Triple 20-bit Spectra AI-ISP

3億2000万画素 or 1億800万画素(ZSL) 3x4800万画素(ZSL)

(Engine for Visual Analytics 5.0)

リフレッシュレート 120Hz (4K+)

240Hz (QHD+)

120Hz (4K+)

240Hz (QHD+)

120Hz (4K+)

240Hz (QHD+)

エンコード/デコード Encode: 8K@60fps H.265, H.264, Google Ultra HDR

Decode: 8K@60fps H.266, H.265, H.264, VP9, VP8, AV1, APV

(Enc/Dec: HDR10+, HDR10, HLG, Dolby Vision)

Slow-mo: 4K@240fps / 1080p@960fps

Encode: 8K@30fps H.265, H.264, Google Ultra HDR

Decode: 8K@30fps H.265, H.264, VP9, VP8, AV1, APV

(Enc/Dec: HDR10+, HDR10, HLG, Dolby Vision)

Slow-mo: 4K@120fps / 1080p@960fps

Encode: 4K@120fps H.265, H.264, Google Ultra HDR

Decode: 8K@60fps H.265, H.264, VP9, VP8, AV1, APV

(Enc/Dec: HDR10+, HDR10, HLG, Dolby Vision)

Slow-mo: 1080p@480fps

RAM 4x24-bit LPDDR6 (5300MHz)

4x16-bit LPDDR5X (5300MHz)

(System Level Cache: 8MB)

4x24-bit LPDDR6 (5300MHz)

4x16-bit LPDDR5X (5300MHz)

(System Level Cache: 6MB)

4x16-bit LPDDR5X (5300MHz)

(System Level Cache: 8MB)

ストレージ UFS 5.0 UFS 5.0 UFS 4.1
USB USB 3.1 Gen 2 USB 3.1 Gen 2 USB 3.1 Gen 2
Wi-Fi Wi-Fi 8 (11bn)

(Peak: 11.6Gbps)

Wi-Fi 8 (11bn)

(Peak: 11.6Gbps)

Wi-Fi 7 (11be)

(Peak: 5.8Gbps)

Bluetooth Bluetooth 6.3 Bluetooth 6.3 Bluetooth 6.0
位置情報 GPS, GLONASS, BeiDou, Galileo, QZSS, NavIC

(GNSS: L1 / L2C / L5)

GPS, GLONASS, BeiDou, Galileo, QZSS, NavIC

(GNSS: L1 / L2C / L5)

GPS, GLONASS, BeiDou, Galileo, QZSS, NavIC

(GNSS: L1 / L2C / L5)

通信 統合: X105 5G Modem (Release-19)

Sub-6GHz / mmWave

(DL: 14.8Gbps / UL 4.2Gbps)

統合: X105 5G Modem (Release-19)

Sub-6GHz / mmWave

(DL: 14.8Gbps / UL: 4.2Gbps)

統合: X85 5G Modem (Release-18)

Sub-6GHz/ mmWave

(DL: 12.5Gbps / 3.7Gbps)

充電規格 Quick Charge 5 Quick Charge 5 Quick Charge 5
製造プロセス TSMC 2nm N2P TSMC 2nm N2P TSMC 3nm N3P
型番 SM8975-BC SM8950 SM8850-AC
公式サイト Qualcomm Qualcomm Qualcomm

新たに発表されたSnapdragon 8 Elite Extreme Gen 6の主な仕様は、製造プロセスがTSMC 2nm N2P、CPUは第4世代のOryonを採用し最大5.01GHzで動作するPrimeと最大4.03GHzで動作するPerformance-Hと最大3.74GHzで動作するPerformance-Lを2+3+3構成で採用、GPUは最大1450MHzで動作するAdreno 850、RAM規格はLPDDR6に対応、内蔵ストレージ規格はUFS 5.0に対応し、モバイルデータ通信は5Gをサポートします。

 

CPUは4世代目のOryonを採用し、モバイルデバイス向けSoCのCPUにおいて世界で初めて5GHzを超えたと明らかにしました。実際の数値では5.01GHzに設定されており、ギリギリではあるもののしっかりと超えています。ちなみに、2024年に発表したSnapdragon 8 Eliteが4.32GHzで、2025年に発表したSnapdragon 8 Elite Gen 5が4.61GHzに設定されています。

 

QualcommはPerformanceが最大4.0GHzに達すると宣伝していますが、実際には3x4.03GHzと3x3.74GHzなので画像のような2+6構成ではなく2+3+3構成が正確な表現です。これはあまり好ましくない表現で、さらにはPerformanceの3+3はそれぞれ異なったリビジョンであることから同じものではないのでそういったところはちゃんと発表すべきだと思いました。

 

CPUのキャッシュは新たな設計となるOryon Flex Cacheを採用し、これまではPrimeのキャッシュとPerformanceのキャッシュがそれぞれ独立して設定されていましたが、最新の設計ではPrimeとPerformanceでキャッシュを共有しフレキシブルに使用するようになります。この設計によって、それぞれのコアが動作する時に欲しい量を利用するようになるので無駄なキャッシュが発生することがほぼ無くなり、無駄な電力を消費することもかなり減ります。

 

NPUは、ScalarとVectorとTensorの数は前世代のSnapdragon 8 Elite Gen 5と同じですが、新たにElementが追加されました。このElementはディープラーニング (深層学習)の基礎となる技術のニューラルネットワークの1種であるTransformerに焦点を当てたもので、生成AIやエージェントAIの処理に特化しています。

 

また、キャッシュのサイズが50%増加し、8MBから12MBになりました。これにより、データをNPU内に置ける量が増えるので処理速度の向上が期待できます。

 

Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6のGPUは前世代から性能が44%向上、電力効率が40%向上しました。また、GMEMに相当するAdreno HPM (High Performance Memory)も継続して採用し、前世代から12%も電力効率が向上しました。高負荷なアプリが増えているのでGPU性能の向上は非常に大事です。

 

Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6とSnapdragon 8 Elite Gen 6は、AIを利用してアップスケーリングやフレーム生成を行うANF (Adreno Neural Fusion)に対応します。NVIDIAが提供するDLSS (Deep Learning Super Sampling)に相当する機能で、一部勘違いしている様子が見受けられますがSnapdragon 8 Elite Gen 6も対応します。

 

ただ、最上位のSnapdragon 8 Elite Extreme Gen 6はGPUにMatrix Coresを搭載することで、NPUを利用することなくGPUのみでANFを実行できるようになり、遅延や消費電力を抑えることが出来ます。一方でSnapdragon 8 Elite Gen 6はMatrix Coresが搭載されていないので、ANFを実行する際はNPUにデータを渡す必要があり、このGPUとNPUのやり取りによって遅延や消費電力が発生することになります。

 

最上位のSnapdragon 8 Elite Extreme Gen 6は新たな散熱機構を備えたOffset PoP (Package-on-Package)を採用しました。これまでは、SoCの上にDRAMを配置する方法を採用していましたが、新しいOffset PoPでは真上にHPB (Heat Path Block)を配置することで散熱の効率を高めています。最大5.01GHzのCPUを支えるには散熱が大きな課題になると思いますので、新たな設計を採用することで効率を高めるのは必然でしょう。

 

Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6は前世代のSnapdragon 8 Elite Gen 5と比較して、CPUは13%の性能向上、GPUは44%の性能向上と40%の電力効率の向上、NPUは35%の性能向上と1ワットあたりの性能が33%向上、Sensing Hubは85%の性能向上と20%の電力削減に成功しました。CPU性能の向上は他と比べると鈍化している様子が見受けられますが、それでも性能向上を達成しています。

 

また、同時に発表されたSnapdragon 8 Elite Gen 6は同様にSnapdragon 8 Elite Gen 5と比較して、CPUは10%の性能向上と37%の電力効率の向上、GPUは35%の性能向上と40%の電力効率の向上、NPUは14%の性能向上、Sensing Hubは1ワットあたりの性能が20%向上しました。やはり「Extreme」はその名にふさわしい性能を秘めていることがわかり、かなりの期待ができそうです。

 

同イベントにはXiaomiのSVP (上級副社長)兼国際事業部長のAdam Zeng氏が登壇し、Xiaomi 18 ProシリーズがSnapdragon 8 Elite Extreme Gen 6と8 Elite Gen 6を初搭載することを表明しました。具体的にはXiaomi 18 ProがSnapdragon 8 Elite Gen 6で、Xiaomi 18 Pro MaxがSnapdragon 8 Elite Extreme Gen 6を搭載します。

 

さらに、Lenovo傘下Motorolaの常務取締役で国際プロダクトマーケティング責任者のNicole Hagen氏も登壇し、motorola signature 27にSnapdragon 8 Elite Extreme Gen 6を搭載することを明らかにしました。同製品は7年間のOSアップデートの約束や、2億画素のペリスコープカメラ、5000万画素のSony LYTIA L910を搭載していること発表しましたが、具体的な発表時期は明らかにしませんでした。

 

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