ミドルレンジモデル向けプラットフォームながら2世代前のフラッグシップモデルと遜色のないパフォーマンスが発揮されたことで今でも人気の有るQualcomm Snapdragon 660 Monile Platformの後継機となるSnapdragon 670が、新たに作られたSnapdragon 700シリーズの第一弾としてSnapdragon 710に改名されることがXDA-Developersによって明らかにされました。
Qualcommは今のスマートフォン市場は完全なスペックを誇るSnapdragon 845を選択するか、Snapdragon 600シリーズのようなミドルレンジモデルを充分に活用するしか無いのでその間となるQualcomm Snapdragon 700シリーズを開発したようです。今回Snapdragon 600シリーズに入っていたSnapdragon 670がSnapdragon 700シリーズの第一弾としてSnapdragon 710に改名されます。
Snapdragon 700シリーズはフラッグシップモデル向けのSnapdragon 800シリーズの一部の機能を搭載することを約束し、主にAIエンジンとQualcomm Spectra ISPを搭載することでAI利用や写真撮影においてはSnapdragon 800シリーズと同じ機能が利用できるようです。
更にBluetooth 5.0や急速充電規格のQuick Charge 4.0のサポートや、ARM CortexをセミカスタムしたQualcomm Kryo CPUやQualcomm Adreno GPU、Qualcomm Hexagon DSPなどの主要なチップを搭載するようで、Snapdragon 660と比較して30%も電力効率を向上できると発表しています。
次世代通信規格の5Gとは明記していませんが、高速なLTEに対応しているチップを搭載するとも話しています。
ドイツのウェブサイトのWinFuture.deが発表したSnapdragon 670(Snapdragon 710)のスペックは、製造プロセスが10nm、CPUはKryo 300 Gold(ARM Cortex-A75)x2 + Kryo 300 Silver(Cortex-A55)x6のオクタコア構成、GPUはQualcomm Adreno 615となっています。ARM big.LITTLE構成を取りやめると考えられていましたが、XDA-Developersが公開した画像によると取り止めない方針のようです。
「Kryo 300 Gold」は最大2.6GHz(2611MHz)、「Kryo 300 Silver」は最大1.7GHz(1708MHz)で動作し、GPUはQualcomm Adreno 615を搭載し通常は430MHz~650MHzで動作しますが、最大700MHzまでクロックアップすることが出来るようです。CPUコアには32KBのL1キャッシュ、クラスタあたり128KBのL2キャッシュ、SoC全体では1024KBのL3キャッシュがあるようです。
その他に、専用の画像プロセッサによってデュアルカメラ構成の高解像度カメラをサポートします。最大サポート画素数は公開されていませんが、リファレンス機は1300万画素と2300万画素のデュアルカメラが搭載されていたとWinFuture.deは報告しています。
ディスプレイの解像度はWQHD(2560×1440)までの解像度をサポートしますが、正確なサポート解像度は明らかにされていません。
モデムには1.0GbpsのDLに対応したQualcomm Snapdragon X2x、フラッシュメモリはUFS 2.1とeMAAC 5.1をサポート。
今の所GeekbenchではQualcomm Snapdragon 670を搭載した奇虎360による“360 1809-A01”が観測されており、リファレンス機を除く実機での計測はこのスマートフォンが1番乗りとなっています。つまり、奇虎360がSnapdragon 710を初搭載したスマートフォンとして発表する可能性があります。
Snapdragon 660のGeekbenchでのスコアはシングルコア性能が1,596点、マルチコア性能5,830点で、Snapdragon 670(Snapdragon 710)のシングルコア性能は1,903点、マルチコア性能が5,929点となっています。A75を採用したことでシングルコア性能が大幅にアップしています。
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