Qualcommは日本時間の2022年9月7日に、新製品としてSnapdragon 6 Gen 1とSnapdragon 4 Gen 1を発表しました。本記事ではSnapdragon 4 Gen 1についてまとめており、Snapdragon 6 Gen 1の詳細な情報はこちらをクリックしてください。
名称 | Snapdragon 4 Gen 1 | Snapdragon 480 5G |
CPU | Kryo
(2xA78+6xA55) |
Kryo 460
(2xA76+6xA55) |
動作周波数 | 2.0GHz+1.8GHz | 2.04GHz+1.80GHz |
GPU | Adreno | Adreno 619 |
動作周波数 | 650MHz | |
NPU/DSP | Hexagon | Hexagon 686 |
カメラ | Triple 12-bit Spectra ISP
1億800万画素 or 3200万画素(ZSL) or 2500万画素+1300万画素(ZSL) or 3x1300万画素(ZSL) |
Triple 12-bit Spectra 345 ISP
6400万画素 or 2500万画素+1300万画素(ZSL) or 3x1300万画素(ZSL) |
リフレッシュレート | 120Hz(FHD+)
120Hz(HD+) |
120Hz(FHD+)
120Hz(HD+) |
エンコード/デコード | Encode: 1080p@60fps H.264, H.265
Decode: 1080p@60fps H.265, VP-9 |
Encode: 1080p@60fps H.264, H.265
Decode: 1080p@60fps H.265, VP-9 |
RAM | LPDDR4X(2133MHz) | LPDDR4X(2133MHz) |
ストレージ | UFS 2.2
eMMC 5.1 |
UFS 2.2
eMMC 5.1 |
Wi-Fi | FastConnect 6200
Wi-Fi 5 |
FastConnect 6200
Wi-Fi 6-ready |
Bluetooth | FastConnect 6200
Bluetooth 5.2 |
FastConnect 6200
Bluetooth 5.1 |
位置情報 | GPS, Glonass, BeiDou, Galileo, NavIC, QZSS | Galileo, Glonass, NavIC, GPS, GNSS, QZSS |
通信 | 統合: Snapdragon X51 5G
Sub-6GHz/- (2.5Gbps/900Mbps) |
統合: Snapdragon X51 5G
Sub-6GHz/mmWave (2.5Gbps/660Mbps) |
充電規格 | Quick Charge 4+ | Quick Charge 4+ |
プロセス技術 | TSMC 6nm(N6) | Samsung 8nm(8LPP) |
型番 | SM4375 | SM4350 |
Snapdragon 4 Gen 1は「Snapdragon 4」で初めて「Gen 1」の名称が付与された製品で、Snapdragon 480 5Gの後継製品です。QualcommはSnapdragon 8 Gen 1の発表以降、携帯電話向けのSoCの名称は「Snapdragon」と「位置を表す数字」、「世代」を組み合わせています。
CPUはSnapdragon 8 Gen 1以降のGen 1を名乗る製品はすべてKryoに統一されました。そのため、Snapdragon 8 Gen 1とSnapdragon 7 Gen 1、Snapdragon 6 Gen 1、Snapdragon 4 Gen 1の4製品のCPUはKryoで共通ですが、すべての製品で仕様が異なっているというわかりにくい状態に陥っています。
詳細な情報は、Cortex-A78を2基、Cortex-A55を6基の2+6構成を採用しています。動作周波数は2.0GHzと1.8GHzに設定されており、「MHz」表記での情報が見つからないので正確なことは言えませんが、基本的な動作周波数はSnapdragon 480 5Gと同じです。
CPUの動作周波数は同じですが、Cortex-A78を採用したことで15%の性能向上に成功したと発表しています。ちなみに、Cortex-A78とCortex-A76の間にはCortex-A77がありますが、それを飛ばしてArmv8において最新のものを採用しています。
GPUはCPUと同様にAdrenoに統一。Qualcommの表記ではSnapdragon 8 Gen 1とSnapdragon 4 Gen 1のGPUはAdrenoで共通ですが、内部的には細かい数字が付与されていますので、Geekbench 5の計測結果や実機を入手すると正しい型番が判明します。
詳細な情報はGeekbench 5での計測結果を発見していないので型番が不明ですが、Snapdragon 480 5GがAdreno 619を採用していたので、この数字よりも大きいものが採用されるでしょう。性能の向上に関しては最大10%も向上したと発表しています。
5G通信はSnapdragon 480 5GではmmWave(ミリ波)に対応していましたが、Snapdragon 4 Gen 1では非対応。mmWaveを商用化している国と地域は非常に少なく、使用できるエリアも限定的で、Snapdragon 480 5Gを搭載したmmWave対応製品が今までに発表されていないので、非対応になったのは残念ですが問題はないと思います。
この他、FastConnect 6200を同時に搭載するとWi-Fi 5とBluetooth 5.2に対応します。Wi-Fi 6に対応していない点は残念ではありますが、Snapdragon 4 Gen 1を搭載した製品を購入する層でWi-Fi 6やWi-Fi 6Eに対応したルーターを所有している人は少ないと思うので、こちらも問題はないと思います。
製造プロセスに関しては6nmと明らかにしており、TSMCでの製造が濃厚です。Snapdragon 480 5GはSamsung 8nmでしたので、微細化とともに製造工場の変更が行われています。そのため、性能向上の他に省電力性能の向上に期待ができます。
Snapdragon 4 Gen 1は2022年第3四半期(6月-9月)に初搭載機が登場する見込みで、vivoが初採用を表明しており、近くvivo iQOO Z6 Liteを発表する予定です。iQOO製品における「Snapdragon 4」の採用は珍しく、過去の製品ではSnapdragon 480 5Gを搭載したvivo iQOO U3xがあります。