2023年5月にOPPOは半導体開発を行う子会社ZEKU (哲庫)の事業を終了しましたが、同社が開発を終了したMariSilicon Z (仮称)に関する情報には未だに注目を集めています。今回、開発を続けていた場合に関する情報が流れてきました。
韓国のAimyon氏によると、OPPOがZEKU事業の終了を宣言する前に準備・開発していた自社開発SoCのGen 2+はRISC-V CPUを採用する予定だったようです。RISC-Vはライセンス料やロイヤリティを支払う必要がない命令セットアーキテクチャ (ISA)で、他社からの依存度を減らせると期待されています。
RISC-VはSiFiveが開発を進めており、2022年11月に発表したP670の性能がCortex-A78よりわずかに低い (5%)程度とされているので、完全に競合する状況ではありませんが、今後さまざまな企業が開発に参加するため、RISC-Vの未来は明るいと言えるでしょう。
ただ、疑問点は通常版のGen 2がDimensity 9400 (仮称)に匹敵する予定で開発を進めていたようなので、大手が開発してもCortex-A78よりわずかに劣る状況であるRISC-V CPUが競合他社のフラッグシップ製品向けSoCのArm Cortex CPUを上回ることが出来るのか気になります。
こういった情報は貴重なものですが、残念ながらOPPOは世界経済と携帯電話市場の不確実性を理由にZEKU事業を終了したため、彼らが準備していたMariSilicon Z Gen 2とGen 2+の真実は不明なままです。
確かなシェアを誇るOPPOでもチップを自社開発することは難関なので、Appleやサムスン電子、Huaweiのすごさが理解できた気がします。また、誰もが認める明確な失敗作が世に出ないAppleとHuaweiはよりすごい企業なのかもしれません。