4月末にゲーミングスマートフォンとして発表されたQualcomm Snapdragon 855を搭載したnubia Red Magic 3がAnTuTuベンチマークを計測する時にのみGPUをオーバークロックさせることが出来る仕組みになっていることがわかりました。この他CPUの動きも制限していますので、詳しく書いていきます。
nubia Red Magic 3は他の多くの機種と同じくGPUクロック数の設定値は585MHzになっています。しかし、AnTuTuベンチマークでは585MHzでは出せないスコアが算出されており、これを怪訝に思う人がいました。
nubia Red Magic 3限定の機能としてRedMagicゲームスペース(RedMagic遊戯空間)というものがあり、この機能ではCPUクロック数やGPUクロック数、端末の温度を視覚的に表示することが付加機能として可能で、この機能を使ってCPUやGPUを監視した人がいます。
ウェイボーユーザーの欧陽秋葉氏がAnTuTuベンチマークでこの機能をONにしたところ、GPUが810MHzにまでオーバークロックされていることがわかりました。更にCPUクロック数もすぐに2.84GHz(標準の最高値)へ上昇し、AnTuTuベンチマークでフルパフォーマンスでの計測が可能になる最適化が施されているようです。
更に同氏はCPUの動きも最適化していると報告。端末の温度が36.0℃を超えると2.43GHzまでダウンクロックされ、再び2.84GHzに上がることはなかったとのこと。nubia Red Magic 3には液冷システムと空冷ファンを内蔵したICE 2.0多次元立体放熱システムを採用していますので、炎天下でプレイしなければダウンクロックされる可能性は低いと思いますが、勝手にダウンクロックされているのはいただけない人もいるでしょう。
GPUを810MHzへオーバークロックが可能なXiaomi Mi 9、Black Shark 2とのAnTuTuベンチマークでの簡単な比較を行います。Xiaomi Mi 9とBlack Shark 2はGPU性能が19点を超え、総合性能では40万点を超えるスコアを発揮している一方で、同じく810MHzまでオーバークロックされているはずのnubia Red Magic 3はGPUの性能が低く、39万点台となっています。
オーバークロックされていないのではないかという疑問も出てきますが、585MHzの場合はGPU性能が15万点台に収まるので17万点になっているnubia Red Magic 3は確実にオーバークロックされています。何故ここまで差が出てしまうのかというのは今のところ不明です。考えられるのはXiaomi Mi 9とBlack Shark 2は常時810MHzなのに対してnubia Red Magic 3は最高値として810MHzを用意しているだけの可能性があります。