MediaTek Helio X30(MT6799)とHelio X25(MT6797T)、Helio X20(MT6797)を比較

MediaTek Helio X30(MT6799)とHelio X25(MT6797T)、Helio X20(MT6797)を比較

2017年8月30日
注:当サイトは広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

2017年のフラッグシップモデル向けプロセッサーとして開発・提供されているMediaTek Helio X30(MT6799)と2016年のフラッグシップモデル向けに開発・提供されたHelio X25(MT6797T)とHelio X20(MT6797)をAnTuTuベンチマークとGeekbenchを用いて比較したいと思います。

比較に使用するスマートフォンはAnTuTuベンチマークにおける2017年10月時点で26位のMeizu PRO 7-H、2017年7月時点でのMeizu PRO 6、Meizu MX6(4+32GB)の実機です。

AnTuTuベンチマークとGeekbenchはスマートフォンの性能を数値化したものであり、体感を数値化したものではないことを考慮して読んでいただければ幸いです。

 

基本性能

製造プロセスはHelio X30が現在最新の規格となる10nm、コア数は10コア(デカコア)、CPUの構成が変わってA72からA73とA53からA35へ変更され、GPUがARM社製MaliではなくHelio X10に採用したImagination Technologies社の最新版となるPowerVR 7XTP-MT4に変更されています。

RAM規格も大きく変わっており、Helio X25とHelio X20は最大4GBなのに対してHelio X30は最大8GBまで搭載することが出来、LTEカテゴリも大幅に進化しています。

 

総合性能

Helio X30がHelio X25から約1.5倍の成長し、一方でHelio X25とHelio X20は約12,000点の差が生まれています。

Meizu PRO 6の製品ページには10万点を超えていることをアピールしていましたが、平均を取ると10万点未満になりました。

今のところ「10万点を超えているのか」がスマートフォン利用で快適になるかならないかの分岐点になっていますので、2017年になってHelio X25搭載機を買うのは得策とはいえないでしょう。

 

シングルコア性能

 

A73は省電力性を追求しているのでA72とあまり変わらないスコアが出ています。

一方でHelio X25のA72は2.5GHz、Helio X20は2.1GHzですので1,000点以上の差が出ており、このスコアはSnapdragon 660が約9,000点なのでミドルレンジモデル向けSoCよりも劣っているということになります。

 

マルチコア性能

 

マルチコアでは全体を通してクロック数の高いHelio X30がHelio X25と5,000点近くの差をつけてトップに、Helio X20はクロック数が低いので最下位になり、このスコアはミドルレンジモデル向けのSnapdragon 625やHelio P20と同等レベルのスコアとなっています。

ブラウジングでのカクつきが見られますので、快適な操作は実感出来ない可能性が高いです。

 

GPU性能

この数値が高ければ高いほどゲームが快適にプレイ出来ますので消費者から喜ばれます。

フラッグシップモデルながら20,000点を超えないというのは3D処理がそこまで必要のないゲームでも確実にカクつきが見られ、PvPのゲームだと負けやすくなるでしょう。

ですので、ゲーム利用を考えているならばHelio X25やHelio X20を選ぶのはやめたほうが良いです。

ちなみにHelio X25のクロック数は850MHz、Helio X20は780MHzです。

 

Geekbenchでの比較

AnTuTuベンチマークでは総合性能の算出に秀でていますが、GeekbenchではCPUの性能差がわかりやすいのでGeekbenchでの比較も行います。

Geekbench公式は平均スコアを算出していませんので、ReaMEIZUの主観で数値が良いものをピックアップしています。

 

Helio X30が圧倒的にトップになり、Helio X25とHelio X20もカタログスペック通りにHelio X25が上回る結果になりました。

やはりA73が省電力性を追求しているのでA72と大きな変化はなく、数値でも100以内となっています。

 

ただ、Snapdragon 660のマルチコアが5,822点ですのでHelio X25とHelio X20ともにミドルレンジモデル向けSoCよりも数値が低いことになり、2016年のフラッグシップモデル向けよりも2017年のミドルレンジモデル向けの方が性能がいいということになります。

 

総括

Helio X30は今までのMediaTekとは異なっていますが、Helio X25とHelio X20に至ってはイメージ通りという結果になりました。

Helio X25はSNSやブラウジングでストレスを貯めることは無さそうですが、Helio X20はこのような用途でもカクつきが生じると思うので、オススメはできません。

「ゲームを快適にプレイ出来るか」という点においては目覚ましい成長を見せたHelio X30でもHiSilicon Kirin 970やSnapdragon 835に劣っていて快適とは決して言えませんので、Helio X25とHelio X20はほぼ確実に快適にプレイ出来ないでしょう。

「2016年のフラッグシップモデル向けSoCだから」という理由で安価なスマートフォンを購入すると無駄遣いになること間違いなしです。

 

ReaMEIZUではAnTuTuベンチマークのデータベースを用いて「MediaTek Helio X30とHiSilicon Kirin 970とQualcomm Snapdragon 835を比較」した記事がございますので、是非ご覧ください。

Helio X30はMediaTekによる最後のフラッグシップモデル向けSoCとなりますので、最後のまとめという意味も含んでおります。

 

参考