本日5月18日に発表されたMediaTek Dimensity 820(MT6875)のAnTuTu Benchmark v8スコアが41万点を超えていることが明らかになりましたので過去のハイエンド製品が搭載していたQualcomm Snapdragon 845(2018)、Huawei Kirin 980(2019)、Samsung Exynos 9820(2019)と簡単に比較を行います。代表的な搭載機種としてSnapdragon 845はXiaomi Pocophone F1やSony Xperia XZ3、Kirin 980はHuawei P30/P30 ProやHuawei Mate 20 Pro、Exynos 9820はSamsung Galaxy S10e/S10/S10+が挙げられます。
Dimensity 820のスペックは、CPUは4xARM Cortex-A76(2.6GHz)+4xARM Cortex-A55(2.0GHz)のオクタコア構成、GPUはARM Mali-G57 MC5 @900MHz、製造プロセスは台湾TSMC製7nm FinFETを採用しています。
Dimensity 820のAnTuTu Benchmark v8スコアは、CPU性能が135,662点、GPU性能が126,276点、MEM性能が83,949点、UX性能が69,390点で総合性能は415,277点という結果になりました。CPU性能はSnapdragon 845、Kirin 980、Exynos 9820を超えることが出来ましたが、GPU性能はすべて負けている状況で、ミドルレンジ帯はハイエンド帯と比較してGPU性能が低いのが弱点となるでしょう。一応Snapdragon 855のスコアを載せておくと、CPU性能は141,207点、GPU性能は177,548点、MEM性能は80,793点、UX性能は68,921点で総合性能は468,477点となっていますので、Dimensity 820はCPU性能の差は少ないと思いますがGPU性能の差が大きく、これを超えるミドルレンジが出てくるには後1年程必要でしょうか。
ゲームをしないという確固たる意志があればミドルレンジ機種を買う意味があり、何かよくわからないと思っている人はハイエンド機種を買っておいたほうが何不自由なく使用できると思います。ミドルレンジ帯の中でも上位に位置するプロセッサーは去年のハイエンド製品を上回るというのは進化の速さが実感できます。来年に発表されるミドルレンジ帯プロセッサーはSnapdragon 855やExynos 990、Kirin 990 5Gを上回る可能性があると考えるとワクワクが止まりません。