本日発表されたMediaTekによる5G通信対応プロセッサーのMediaTek Dimensity 1000のAnTuTuベンチマークスコアが公開されました。今回公開されたスコアを、Qualcomm Snapdragon 855 Plus、Huawei Kirin 990 5G、Samsung Exynos 9825と簡単に比較を行います。
MediaTek Dimensity 1000はMediaTekとしては初めての7nm FinFET製造プロセスを採用したプロセッサーで、主なスペックはCPUにARM Cortex-A77を、GPUにARM Mali-G77を採用しています。この他独立したAIコアのAPU 3,0を搭載し、AI機能にも抜かりはありません。
Dimensity 1000はAndroid OS搭載機向けプロセッサー(プラットフォーム)で初となる50万点を超え、51万点にまで上り詰めました。Android OS搭載機における最高性能を誇るSnapdragon 855 Plusよりも総合性能が高く、更に細かく見ていくとCPU性能とGPU性能でも上回っていることが確認できます。特にUX性能が高く、データ処理や画像処理において優位点を見いだす事ができ、よりストレスのない使用が可能になっています。
MediaTekがフラッグシップモデル向けプロセッサーの開発を一時的に凍結させることになった原因の一つのHelio X30の出来とは一線を画すプロセッサーに仕上がっています。「MediaTek製プロセッサーといえばあらゆる性能が貧弱で、購入するのであればSnapdragon搭載機だ。」というのが過去の印象になりつつあります。MediaTek製プロセッサーは性能の他に大きな特徴としてチップの価格が安いことが挙げられ、今回のDimensity 1000が競合他社と比較して高いのか安いのか不明ですが、もし安く供給できるのであればQualcommは戦々恐々とするでしょう。