Lenovoが自社開発プロセッサをテストしている段階であると中国のメディアが報じました。Lenovoはさまざまな製品を開発・販売しており、身近な製品ではスマートフォン、タブレット、パソコンがあります。
現在、テストしている自社開発プロセッサはタブレット向けで、製造プロセスは5nmを採用していると伝えられています。製造する工場に関しては不明ですが、企業の結びつきを考えると台湾のTSMCの可能性が高く、TSMC 5nm N5で製造した製品をテスト中だと思います。
ただ、現時点ではタブレット向けに開発を行っていますが、市場規模としてはAppleが圧倒的に強く、他の企業が割って入る余裕が無いため、最終的にはパソコン向けに開発を進めていると考えられています。そのため、今回の製品は技術力を試していると見ても問題はないと思います。
著名な調査会社のひとつのIDCが公開したデータによると、2021年通年のパソコンの出荷台数は3億4880万台で、その中でLenovoは8193万台で市場シェアが23.5%で1位に立ちましたが、2位のHPは21.2%でそれほど差が大きくありません。そのため、今回の情報を報じたメディアは自社製品の競争力を確立するためにパソコン向けの自社製プロセッサの開発をしているのではないかと予想しています。
Lenovoの完全自社開発SoCは完全子会社のDingdao Zhixin(鼎道智芯)が開発していると見られており、同社はArmアーキテクチャとRISC-Vアーキテクチャの研究開発を行っていることが明らかになっています。今回開発したものはArmアーキテクチャを採用しているようです。
ちなみに、過去にLenovo CEOの楊元慶(Yang Yuanqing)は自社開発プロセッサについて発言したことがあり、「自社開発チップの可能性は排除されておらず、協力する可能性も排除されていない」と述べたことがあります。
巨大な企業が他社に依存せず、自社で開発を行う動きが中国で始まっており、近い将来に起こるかもしれない“衝突”に備えてリスク回避を行っているように見えます。今後、どのようになっていくのかわかりませんが、中国ではこの動きが加速していくでしょう。