JLQ JR510のAnTuTu Benchmark v9とGeekbench 5の性能が判明。Helio G35、SC9863A、Exynos 850と比較

JLQ JR510のAnTuTu Benchmark v9とGeekbench 5の性能が判明。Helio G35、SC9863A、Exynos 850と比較

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POCO C40が初搭載したJLQ Technology(瓴盛科技)製のJLQ JR510のAnTuTu Benchmark v9とGeekbench 5の性能が判明したので、MediaTekのHelio G35、UnisocのSC9863A、SamsungのExynos 850と比較します。

 

JLQ JR510の主な仕様は、プロセス技術がSamsung 11nm、CPUが4+4のCortex-A55を採用し動作周波数が2.0GHz+1.5GHz、GPUがMali-G52 2EE MC1 @動作周波数不明、RAM規格はLPDDR4X(1866MHz)、5G通信に非対応で4G通信に対応します。

 

JLQ JR510はJLQ Technologyとして初のモバイル向けSoCですが、同社はAIoT向けにJA308、JA310、JA312の3製品を発表し搭載製品が市場に出ているので、まったくの無経験の企業が開発した製品ではありません。

 

JLQ JR510のAnTuTu Benchmark v9の性能は、CPU性能が40,719点、GPU性能(Lite版)が15,725点、MEM性能が38,989点、UX性能は37,136点で、総合性能は132,569点となりました。

 

CPU性能は40,719点で、動作周波数のとおりに1.6GHz+1.2GHzに設定されたSC9863Aを上回り、2.0GHz+2.0GHzに設定されたExynos 850に及ばない結果となりました。そして、動作周波数は2.3GHz+1.8GHzでHelio G35が上回りますが、CPU IPが1世代古いCortex-A53を採用していますので差が発生しました。

 

GPU性能は15,725点で、同じ構成を採用したExynos 850とは大きな差が発生しました。そのため、JLQ JR510のMali-G52 MC1の動作周波数は少なくとも1001MHzよりも低く設定されていることがわかりました。

 

JLQ JR510のGeekbench 5の性能は、シングルコア性能が165点、マルチコア性能が880点となりました。ちなみに、Geekbench 5には基準点が存在し、Intel Core i3-8100が発揮する逐次処理の性能(シングルコア性能)が1000点に設定されています。

 

シングルコア性能は165点で、同じ動作周波数に設定されているExynos 850よりも低く算出されました。これはプロセス技術が11nmと8nmで後者が微細化されており、電力効率が大幅に進化して大きな差が発生したと考えています。

 

マルチコア性能は880点で、Cortex-A53で構成されたHelio G35よりも低く算出されました。この理由は動作周波数が2.0GHz+1.5GHzと2.3GHz+1.8GHzで後者が高く設定されており、プロセス技術もTSMC 12nmとSamsung 11nmは後者が微細化されていますが、実際の性能は前者が優れているとされているため、複合的な要因で差が発生したと考えています。

 

JLQ JR510を搭載したPOCO C40は主に新興国向けに発表、販売されているので日本市場で販売される可能性は低く、その製品を注目する必要はないかもしれませんが、SoCを開発する新しい企業が出てきたことは注目に値すると思います。

 

今後、どのような製品を開発し、どのような携帯電話に搭載されるのか方向性が見えていませんが、少し前は存在感のなかったUnisocが新興国で注目を浴び始めたのを見ると、携帯電話市場に参入したJLQ Technologyもいつか注目を浴びる時期が来るかもしれません。

 

そのため、日本に無関係な企業だからと無視するのではなく、新しい企業がどのような運営を続けていくのか注視し、優れた製品を開発したときは素直に褒めるようにしてほしいです。