HUAWEI完全子会社のHiSilicon(海思)はHUAWEIが2020年10月22日に発表したハイエンドかつフラッグシップSoCのHUAWEI Kirin 9000とHUAWEI Kirin 9000Eの詳細なスペックを公開し、両SoCがmmWave(ミリ波)と呼ばれる5G通信に対応していることを明らかにしました。
HUAWEI Kirin SoCにおける5G通信対応モデムが内蔵されているものは2019年9月に発表されたHUAWEI Kirin 990 5Gが最初で、このKirin 990 5GはSub-6GHz帯のみの対応となっていました。5G NR方式の周波数にはSub-6GHz帯のFR1とmmWave(ミリ波)のFR2が定義されているため、Kirin 990 5GはmmWaveに非対応なSoCとなります。ただ、Kirin 990 5Gが発表された2019年9月当時における5G通信はSub-6GHz帯のみが運用されていたので非対応であることは欠点ではありません。
しかし、2020年10月に発表されたKirin 9000とKirin 9000Eの時代は、アメリカ合衆国のVerizonや日本のKDDIやNTTドコモ、楽天モバイルがmmWaveを運用を行ったり・予定していたりと、非対応であることが欠点になる状態になっていました。HUAWEIはKirin 9000とKirin 9000Eの発表を行うときにmmWaveの対応について明言を避けていましたが、5G通信対応モデムとしてSub-6GHz帯とmmWaveに対応したBalond 5000 Modemを統合していることを明らかにしていましたので、対応している可能性はあるとReaMEIZUは考えていました。
最近、HiSilicon公式サイトにKirin 9000とKirin 9000Eのスペックが公開され、mmWaveに対応していることが明らかにされました。これにより、HUAWEI Kirin SoCにおける初めてのmmWave対応SoCとなります。また、5G NR方式における最先端の技術が採用されているSoCと呼称も出来ます。
Kirin 9000はHUAWEI Mate 40 Pro、HUAWEI Mate 40 Pro+、PORSCHE DESIGN HUAWEI Mate 40 RS、Kirin 9000EはHUAWEI Mate 40が搭載していますが、いずれの機種も現在はmmWaveに非対応でSub-6GHz帯のみ対応しています。これらの製品は後日行われるアップデートによってmmWave対応というのも技術的には可能なので、HUAWEI Mate 40シリーズの進化に期待しましょう。ちなみにHUAWEIが本社を構える中国では2020年12月現在、mmWaveは運用されていません。