HuaweiがKirin 9030Sを発表、欠点あれど自社開発のHarmonyOSによって問題なし

HuaweiがKirin 9030Sを発表、欠点あれど自社開発のHarmonyOSによって問題なし

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中国のHuaweiは2026年4月20日に新製品発表会を開催し、HUAWEI Pura90シリーズを発表しました。その中で、HUAWEI Pura 90 Proと90 Pro MaxがKirin 9030Sを搭載していることが判明し、一部の仕様が明らかになったので簡単にですがまとめます。

 

名称 Kirin 9030 Pro Kirin 9030 Kirin 9030S
CPU 1x TaiShan-Big

4x TaiShan-Middle

4x TaiShan-Little

(9 Cores / 14 Threads)

(L3 Cache: 12MB)

1x TaiShan-Big

3x TaiShan-Middle

4x TaiShan-Little

(8 Cores / 12 Threads)

(L3 Cache: 12MB)

1x TaiShan-Big

3x TaiShan-Middle

4x TaiShan-Little

(8 Cores / 12 Threads)

(L3 Cache: 4MB)

識別子 72_3334

72_3399

72_3364

72_3334

72_3399

72_3364

72_3334

?

72_3364

リビジョン r2p0

r2p0

r2p0

r2p0

r2p0

r2p0

r2p0

?

r2p0

動作周波数 2.75GHz

2.27GHz

1.72GHz

2.69GHz

2.27GHz

1.72GHz

2.70GHz

2.15GHz

1.62GHz

GPU Maleoon 935 6CU Maleoon 935A 5CU Maleoon 935F 3CU
動作周波数 933MHz 933MHz 933MHz (?)
NPU/DSP Da Vinci NPU

1x Lite

1x Tiny

Da Vinci NPU

1x Lite

1x Tiny

Da Vinci NPU

1x Lite

1x Tiny

カメラ Kirin ISP 9.0 Kirin ISP 9.0 Kirin ISP 9.0
リフレッシュレート ? ? ?
エンコード/デコード ? ? ?
RAM LPDDR5X (4800MHz)

(System Level Cache: 12MB)

LPDDR5X (4800MHz)

(System Level Cache: 12MB)

LPDDR5X (4266MHz)
ストレージ UFS 4.0 UFS 4.0 UFS 4.0
USB USB 3.1 Gen 1 USB 3.1 Gen 1 USB 2.0
Wi-Fi Wi-Fi 7 (11be) Wi-Fi 7 (11be) Wi-Fi 7 (11be)
Bluetooth Bluetooth 6.0 Bluetooth 6.0 Bluetooth 6.0
位置情報 GPS, GLONASS, BeiDou, Galileo, QZSS, NavIC

(GNSS Freq: L1 + L5)

GPS, GLONASS, BeiDou, Galileo, QZSS, NavIC

(GNSS Freq: L1 + L5)

GPS, GLONASS, BeiDou, Galileo, QZSS, NavIC

(GNSS Freq: L1 + L5)

通信 統合: 5A Balong Modem 統合: 5A Balong Modem 統合: 5A Balong Modem
充電規格 HUAWEI SuperCharge 100W HUAWEI SuperCharge 100W HUAWEI SuperCharge 100W
製造プロセス SMIC 7nm N+3 SMIC 7nm N+3 ?
型番 Hi36D0-V100 ? ?
公式サイト - - -

新たに発表されたKirin 9030Sの主な仕様は、製造プロセスがSMIC 7nm N+2もしくはN+3、CPUは最大2.70GHzで動作するTaiShan-Bigと最大2.15GHzで動作するTaiShan-Middleと最大1.62GHzで動作するTaiShan-Littleを1+3+4構成で採用、GPUは最大933MHzで動作する可能性のあるMaleoon 935F、RAM規格はLPDDR5X、内蔵ストレージ規格はUFS 4.0、モバイルデータ通信は独自の5Aに対応します。

 

新SoCのKirin 9030Sを、Kirin 9030 Proの規格不適合品として登場したKirin 9030の規格不適合品としているサイトもありますが、それでは説明がつかないところがあるのでやや疑問です。特にUSBの部分は、Puraに期待されていた部分を否定しているように見え、下げる必要がないと思います。

 

CPUに注目すると、Kirin 9030SのCPUの識別子がKirin 9030とKirin 9030 Proと同じで、その繋がりがあることから規格不適合品と考えられていると思います。しかし、動作周波数を見ると、Kirin 9030が最大2.75GHzから最大2.69GHzに下がるのは理解できますが、Kirin 9030Sが最大2.69GHzから最大2.70GHzに上がるのは自分には理解が難しいです。基本的に規格不適合品は動作周波数が下がる傾向にあるためです。

 

ちなみに、GeekbenchによるとKirin 9030の2.69GHzは2695MHzに、Kirin 9030Sの2.70GHzは2700MHzに設定されており、実際には5MHzの差です。これによって性能に差が出ることはまずありませんが、差があることは事実です。それだけは覚えておいてほしいです。

 

GPUはMaleoon 935F 3CUを搭載しており、GeekbenchのOpenCLの性能を見ると、6CUのKirin 9030 Proが5,450点、5CUのKirin 9030が4,800点、3CUのKirin 9030Sが3,400点なのでおよそコア数の通りに性能が発揮されています。ただ、1世代前のKirin 9020は4,800点を超えるので、Pura 90 Pro以上はPura 80 Pro以上よりもGPUの性能は低くなり、後継機の性能が低くなる減少が起きています。

 

Huaweiによると、Kirin 9030Sの性能はKirin 9020と比較して総合的に25%の性能向上に成功したようです。ただ、この数値はHarmonyOS 6.1を搭載したHUAWEI Pura 90 Pro Maxの16GB版と、HarmonyOS 5.1を搭載したHUAWEI Pura 80 Ultraの16GB版を比較していますので、OSによる最適化も加味する必要があります。

 

また、NPUの性能とISPの性能が向上していることも明かされ、画像解析能力が200%向上、ズームを利用したビデオの鮮明度が110%向上、AIカラーエンジンが43%向上、ズーム撮影時の手ぶれ補正の精度が30%も向上したようです。

 

Puraシリーズやその前進のPシリーズはカメラ機能の強みが特徴でしたので、NPUとISPの性能の向上は正しい進化です。特にビデオ撮影はAppleが頂点に立ち、多くのテック系の著名人がそれを肯定する状態なので、Huaweiとしてもここに力を入れるのは自然です。

 

一部ではKirin 9030SのNPUの性能はKirin 9030とKirin 9030 Proよりも高いといった情報を見かけますが、HUAWEI Mate 80 ProとMate 80 Pro Maxの発表会で提示された情報を見るとそれは違うように見受けられます。というのも、AIカラーエンジンの数値が43%で共通で、「AI」の部分の向上幅が同じであればKirin 9030SのNPUの性能は同じと解釈すべきでしょう。

 

Huaweiは2018年3月に発表したHUAWEI P20シリーズ以降、USB 3.1 Gen 1規格を採用し続けましたが、2025年6月に発表したPura 80シリーズでUSB 2.0の足音が聞こえ、Pura 90シリーズではUSB 2.0に統一されました。 (USB-IFによると、現在はUSB 3.1 Gen 1はUSB 5Gbps表記が推奨されていますが、Huaweiがこの表記を採用しているのでUSB 3.1 Gen 1表記を採用しています)

 

USB 2.0とUSB 3.1 Gen 1の違いは転送速度で、前者は最大480Mbpsなのに対し後者は5Gbpsと約10倍になっています。そのため、大容量のデータをUSBを利用して移動する際にはUSB 3.1 Gen 1がいいです。ただ、昨今はUSBを利用してデータを移動することは減っていますし、HarmonyOS 6.0以降はUSBを利用せずにシームレスにデータを移動させる隔空伝送や碰一碰などに力を入れているので、USB 2.0規格に戻るのはそれほど大きな問題にならないと思います。

 

Kirin 9030Sを初搭載するのはHUAWEI Pura 90 ProとPura 90 Pro Maxで、価格は前者が5499元 (約127,500円)から、後者が6499元 (約151,000円)からとなっています。ちなみに、前作のHUAWEI Pura 80 Proは6499元から、Pura 80 Pro+は7999元 (約185,500円)から、Pura 80 Ultraは9999元 (約232,000円)からとなっているので、後継機のほうが安い設定です。

 

両機種は2026年4月29日より中国市場で販売を開始しますが、国際市場での展開は不明です。日本市場においては2020年6月に発表されたHUAWEI P40シリーズを最後にPシリーズとPuraシリーズを投入していないので、可能性はゼロではないですがゼロに近いでしょう。

 

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