Google Tensor G2のベンチマークスコアが判明、過去のPixel製品と比較

Google Tensor G2のベンチマークスコアが判明、過去のPixel製品と比較

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Pixel 7とPixel 7 Proが搭載したGoogle Tensor G2のAnTuTu BenchmarkとGeekbenchの性能が判明したので、過去のPixel製品が搭載したSoCと比較します。

 

今回の比較で言及する「性能」はピーク時の性能を意味しており、安定して高い性能を継続して発揮する安定性については考慮していないので注意してください。ちなみに、私見ですが、安定性を知りたい場合は搭載した製品を購入する以外にないと思っています。

 

また、AnTuTu Benchmarkにおいては、開発を行っているAnTuTuがiOS搭載機とAndroid搭載機で発揮された性能を比較するのは不適当だと声明を発表しており、例えば、iOS搭載製品が100万点、Android搭載製品が200万点であったとしても優劣をつけることは出来ません。Geekbenchに関しては公式がクロスプラットフォームでの比較を認めていますので、発揮された性能を比較しても問題ありません。

 

Google Tensor G2の主なスペックは、製造プロセスがSamsung 5nm 5LPE、CPUが2.85GHzで動作するCortex-X1を2基、2.35GHzで動作するCortex-A78を2基、1.80GHzで動作するCortex-A55を4基の2+2+4構成、GPUは996MHzと848MHzで動作するMali-G710 MP7、RAM規格はLPDDR5、内蔵ストレージ規格はUFS 3.1、5G通信はSub-6GHz帯とmmWaveに対応、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2に対応しています。

 

Pixel 6シリーズが搭載したGoogle Tensorと比較すると、製造プロセスは同じで、CPUはCortex-A76がCortex-A78へ刷新、GPUはMali-G78からMali-G710へ刷新しました。

 

CPUはCortex-X1を2基も採用しており、非常に珍しい設計となっています。これによって機械学習性能が高まりますが、このCPUは性能を高めることに注力したものなので、発熱が起きやすいといった弱点があります。ただ、その発熱も常にフルパワーで動かないように調整すれば発生しにくくなるので問題ありません。

 

GPUはMali-G78からMali-G710へ新しくなりましたが、積載数は20基から7基まで大幅に減少しました。後継製品なので性能が低下することはないと思いますが、大きく成長するのは難しいと考えています。

 

Google Tensor G2のAnTuTu Benchmark v9での性能は、CPU性能が220,811点、GPU性能が315,729点、MEM性能が135,287点、UX性能が159,788点で、総合性能は831,615点となりました。この総合性能は競合他社の製品のSnapdragon 888 5Gは発揮する性能と同等です。

 

CPU性能は、Google Tensorから約14%の成長で、Cortex-A76からCortex-A78へ刷新したことが大きく関わっているでしょう。Cortex-A76とCortex-A78の間にはCortex-A77がありますので、2世代も新しいCPUを採用すると当然、CPUの性能の向上が大きく期待できます。

 

GPU性能は、Google Tensorから約5%の成長で、CPU性能ほどの成長はできませんでした。この要因として考えられるのは積載数の大幅な減少で、やはり積載数の多さは性能に直結するため、MP20からMP7へ減らすのはさまざまな要因があるとは思いますが、後継製品として考えると少しもったいのないことをしているのではないかと感じます。

 

Geekbench 5における性能は、シングルコア性能が1,063点、マルチコア性能が3,334点となりました。Geekbench 5には基準点があり、2017年に発売されたIntelのCore i3-8100が発揮するシングルコア性能が1,000点に設定されています。そのため、シングルコア性能が2,000点ある場合、Core i3-8100の2倍の性能を有していると見ることができます。

 

シングルコア性能は、Google Tensorから約1%の成長で、0.05GHzしか変わらないCortex-X1を継続して採用しているため、大きく成長しなかったのではないかと考えています。この数値は数値だけを見ると違いがありますが、実際に動作させる場合には誤差の範囲ですので、このような状態になりました。

 

マルチコア性能は、Google Tensorから約13%の成長で、これはAnTuTuのときと同じくCortex-A76をCortex-A78へ刷新したことが大きく関わっているでしょう。マルチタスクを行う場合に差を感じる性能で、10%程度の差があれば実感として変わったと感じられると思います。

 

Google Tensor G2は「後継製品」として見ると物足りない部分はありますが、「性能向上版」として見ると素晴らしい成長をしているように感じます。また、Googleはベンチマークで発揮する性能よりもユーザーが実際に触って感じるユーザビリティに力を入れていますので、Snapdragon 888 5G程度の性能を有していればさまざまなシーンで問題なく使用することが出来るため、大きく性能を向上させるよりも安定度を高める方向に進んだのではないかと感じます。

 

Google Tensor G2の後継製品はGoogle Tensor G3になる予定で、2023年の秋頃に発表される予定です。搭載する製品はPixel 8とPixel 8 Proで、Pixel 7シリーズの後継製品です。