中国の国家市場監督管理総局(SAMR)は2021年11月20日、法律に従って事業の集中を宣言していない違法な実施を行った43件の事件について行政処分の決定を下しました。その中に、Meizu(魅族科技)の文字が見つかったので分かる範囲で紹介します。
当局が独占禁止法の「事業者の集中度の見直しに関する暫定規定」に基づいて2021年8月12日に開廷し、AlibabaによるMeizuの株式取得について、法律に基づいて株式保有を申告しなかった疑いと、事業者の集中を違法に実施した疑いがあると判明したようです。
結論から書くと、Alibaba(阿里巴巴)は独占禁止法に違反してMeizuの株式を取得したため、50万元(約894万元)の罰金を科されました。Meizuの文字があったので“Meizuが”罰せられたと思いましたが、AlibabaがMeizuに関係する事柄で違法な行いをしたということのようです。
SAMRによると、AlibabaとMeizu CEO(当時)の黄秀章(Huang Xiuzhang)氏は2015年2月に投資契約を締結し、AlibabaはMeizuの29.34%の株式を取得しました。その後、2015年2月16日にMeizuは持ち株比率変更の登録を完了しました。
独占禁止法第20条では事業の集中が定められており、AlibabaはMeizuの29.34%の株式を取得して共同支配権を獲得しましたが、この部分が事業者の集中にあたるようです。そして、2014年のAlibabaの国内と国外、黄秀章氏の国内と国外の売上高は国務院の「事業者集中申告基準に関する規定」第3条に定める申告基準に達していて、申告すべき状況にありました。
ですが、当局がAlibabaによるMeizuの株式取得が市場における競争に与える影響を評価したところ、事業者の集中が競争を排除または制限する効果を持たないと判断しました。
そして、当局は独占禁止法第48条の「50万元以下の罰金を科すことが出来る」と、独占禁止法第49条の「本法第46条、第47条および第48条に規定する罰金の額を決定するに当たり、独占禁止執行機関は、違反の性質、程度および旗艦を考慮しなければならない」の規定に基づき、調査および審査の結論に基づき、Alibabaに対して罰金50万元の行政処分を行いました。
当局によるAlibabaへの締め付けが強くなっていると取り沙汰されていますが、今回の事例に関しては「締め付け」とは異なった部分と考えています。ただ、今回発表された43件のうち、Alibaba関連は10件を超えているため、目を光らせているのは間違いないでしょう。
注: 本件のAlibabaの正式名称は阿里巴巴投資有限公司(Alibaba Investment Limited)、Meizuも同様に魅族科技有限公司(MEIZU TECHNOLOGY CORPORATION LIMITED)です。