SHARP製のAQUOS R7が複数の段階でCPUの性能を制御していたことがGeekbench 5によって明らかになりました。また、同製品をベースとするLEITZ PHONE 2も同様の制御を行っている可能性が高いと考えています。
現時点でAQUOS R7はNTTドコモとSoftBankから販売、LEITZ PHONE 2はSoftBankから販売されていますが、過去の例から考えるとAQUOS R7はオープン市場向けにも販売されると考えています。
両製品はSoCに高性能なSnapdragon 8 Gen 1を搭載していますが、このSoCはピーク時の性能は高いものの、過度な発熱によって安定して高い性能を継続的に発揮することが出来ず、多くの採用企業が優れた散熱機構を採用して対応している現状にあります。
そんな中、AQUOS R7は放熱シートを採用しているものの、それだけでは厳しいと感じたのか複数の段階でCPUの動作周波数を設定し、性能を抑制することで発熱を抑えている可能性があります。
Snapdragon 8 Gen 1は最大3.00GHzで動作するCortex-X2を採用していますが、AQUOS R7の段階は、3.00GHz、2.82GHz、2.48GHz、2.21GHz、1.64GHz、1.20GHzの1+5段階で制御している様子が見受けられました。この製品は最高性能を誇るSoCを搭載したハイエンド故に多くの計測結果があるわけではないので、現時点では1+5段階で制御しているという表現が良いと思っています。
この1+5段階で制御した状態でのGeekbench 5での計測結果をまとめてみると、3.00GHzで動作した場合のシングルコア性能は1,237点ですが、1.20GHzで動作した場合は424点までに下がるので、やや厳しくスロットリングが働いていると感じます。
参考になりますが、シングルコア性能の420点は、Snapdragon 845を搭載したAQUOS zeroやAQUOS R2よりも性能が低いので、スロットリングが効きすぎているような印象を受けます。
残念なことに私は実機を持っていないので数値だけで判断していますが、いくつかレビューを見るとゲームを長時間遊んでいたり、写真・動画撮影でカメラアプリを長い間起動していると発熱が見られますが、そのような動作をやめるとすぐに発熱が抑えられるとの評価がされています。
そのため、発熱を検知してすぐにCPUの性能を制御して発熱を抑制するといった試みが上手に動作しているようです。LEITZ PHONE 2に関しては発売が間もないこと、非常に高価な製品であることが要因でGeekbenchに姿を表していないので予想になっていますが、両機種の従来製品のAQUSO R6とLEITZ PHONE 1が同様のCPU制御を行っていたので、今回も同じように行っているのではないかと考えています。