AnTuTu Benchmarkを開発提供しているAnTuTuが日本時間9月19日に発表されたHuawei Mate 30シリーズの上位モデルとなるHuawei Mate 30 Pro(4G)のAnTuTuベンチマークスコアを公開しました。
Huawei Mate 30 Proには5Gモデムが統合されているHuawei Kirin 990 5Gを搭載したHuawei Mate 30 Pro 5Gと、通常版となるHuawei Kirin 990を搭載したHuawei Mate 30 Proが存在しますが、今回は後者の4G版が抽出されています。Kirin 990 5GとKirin 990はCPUとGPUのスペックが異なっており、CPUとGPU共にKirin 990 5Gの方がクロック数が高いです。
Kirin 990はKirin 980からCPUは同じ構成でクロック数アップ、GPUは6コア増えてクロック数がダウンという作りになっています。ARM Cortex-A77 CPUの搭載やARM Mali-G77 GPUの搭載が期待されましたが、HuaweiのHuawei Consumer Business Group CEOの余承東(Richard Yu/リチャード・ユウ)氏はA77がより高いピークパフォーマンスを発揮したとしても、7nm製造プロセス環境下においてはA77とA76の電力効率は実質的に同じであっと話し、昨年7nm製造プロセスのKirin 980にA76を搭載したことでA76との長い経験によってコアのクロック数をさらに高くするほうが望ましいと判断したようです。
Kirin 990(PM)の“PM”はパフォーマンスモード(Performance Mode)を現しており、AnTuTuが公開したスコアはそのモードがオンになっていると明らかにされています。そして(PM)が記載されていないKirin 990はおそらくパフォーマンスモードがオンになっていないスコアです。Kirin 990(PM)の総合性能は457,347点でSnapdragon 855 PlusやSnapdragon 855を上回ることに成功しましたが、AnTuTu Benchmark Version 8はスコアの計上方法が変わったことに加えて大きな変更点として、RAM容量と内蔵ストレージの容量が高いほうがスコアが高くなるように調整されているため、総合性能で比較するのには適していません。
そこでReaMEIZUではどのSoCでも同じように計測できているはずのCPU性能とGPU性能を抽出したCPU性能+GPU性能を総合スコアとして判断する項目を追加。この方法ではKirin 990(PM)はSnapdragon 855 Plusに負けており、残念ながら頂点に立つことは出来ませんでした。CPU性能は151,647点で頂点に立っていはいますが、GPU性能は“Plus”のないSnapdragon 855よりも低く、Kirin 990はSnapdragon 855よりも約1年後に発表されているのに超えることが出来ていないというのはいかがなものでしょうか。Huawei製品には3D処理を高負荷に使用する時にGPUの動きを最適化するGPU Turboという機能がありますが、やはりスコアが高いほうが嬉しいのは事実。少し残念な結果となりました。