AnTuTuベンチマークを提供しているAnTuTuが発表を近くに控えているHUAWEI Mate 20 ProのAnTuTuベンチマークスコアを公開したことによって、HiSilicon Kirin 980のベンチマークスコアが公開されました。今回公開されたスコアはあくまでもAnTuTuが採用したものなので、これが最高点なのか最低点なのかはたまた平均点なのかはわかりません。
AnTuTuが公開したHUAWEI Mate 20 Pro(LYA-L29)のスコアはCPUが115,296点、GPUが112,516点、UXが69,456点、MEMが16,293点の計313,561点となっています。Android市場で頂点に君臨しているQualcomm Snapdragon 845でも30万点を超えることは少ないので、31万点というのはかなり高い水準となります。
Kirin 980のスコアが判明したので過去作となるKirin 970、Kirin 960、Kirin 955、Kirin 950と比較してみます。搭載機はそれぞれHonor Note 10、HUAWEI Mate 9 Pro、HUAWEI P9、HUAWEI Mate 8となっています。
Kirin 970が約21万点なので10万点の伸びを見せ、過去大きく成長したKirin 960からKirin 970の5万点よりも大きく成長しています。大きな成長点としてCPUとGPUの性能向上が挙げられます。
CPUはARM Cortex-A76(2.6GHz)とA76(1.92GHz)とA55(1.8GHz)で、2+2+4のオクタコア構成です。GPUは720MHzのARM Mali- G76 MP10となっています。
MEM性能が他の性能と比べると約3,000点という地味な伸びとなっていますが、MEM性能の中では驚くべき成長となっています。大きな更新点としてLPDDR4Xのクロック数が1833Mhzから2133MHzへクロックアップされており、このクロック数はQualcomm Snapdragon 845の1866Mhzよりも高いです。この性能をユーザーが体感することは少ないですが、その中でも画像を開いたときの高解像度への遷移の速さを体感することが出来るかもしれません。
更にApple A12 Bionic、Snapdragon 845、SAMSUNG Exynos 9 Series 9810と比較してみました。HUAWEIはKirin 980の発表会でSnapdragon 845を仮想敵にしており、総合スコアで抜かすことに成功しましたが、GPU性能はSnapdragon 845の方が優れているという結果が出ています。発表会ではもKirin 980とSnapdragon 845を比較したレーダーチャートでGPU性能はSnapdragon 845の方が優れていると書いてあったのでそのとおりになっていますが何か釈然としません。
これではHiSiliconとQualcommの差は広がるばかりです。ExynosもGPUはそこまで良い性能とは言えないので、AndroidでゲームをするならSnapdragon搭載機という式が完成されてしまいます。
QualcommはSnapdragon 845の後継機としてSnapdragon 8150を開発しており、こちらの点数はいくつになるでしょうか。A12 BionicはiOSが搭載されているので単純な比較は出来ませんが、やはり自分の使っているスマートフォンが他者よりも優れているのは多少なりとも大事だと考えているので、今回のHiSilicon Kirin 980のスコアにはがっかりしています。更にHUAWEIはベンチマークチーティングの問題があったので、今回のスコアを懐疑的な見方をしている人が多くいます。
今回のスコアがチートして得られたものであるならば今まで着実に築いてきたHUAWEIそのものの信頼が失墜してしまうので、本当のスコアであると信じています。