スマートフォンやタブレットの性能を総合的に評価するベンチマークソフトとして有名なAnTuTu Benchmarkですが、最新版のv9ではある一定の要件を満たさない場合GPU性能の欄に“Lite”の表示が出るようになっています。今回、この“Lite”について簡単に解説をします。
一般的に“AnTuTu Benchmark”はAnTuTu Benchmark(本体)とAnTuTu 3DBenchの2つのアプリを利用して計測を行います。本体ではCPU性能、MEM性能、UX性能を計測し、AnTuTu 3DBenchではGPU性能を計測しますが、何故GPUのみ違ったアプリなのかというと容量が非常に大きい(v9.0.9-OBは705MB)からです。
ここから本題で、一定の要件を満たさないとLite版での計測になると前述しました。その要件はRAM 6GB以上とVulkan API対応なので、RAM 6GB未満もしくはVulkan API非対応の場合にAnTuTu 3DBenchではなくAnTuTu 3DBench Liteを利用して計測を行います。
そして、この要件を満たさない場合、AnTuTu Benchmark本体とAnTuTu 3DBenchを計測前にインストールしていてもAnTuTu 3DBench Liteのインストールを促してきます。その場合、AnTuTu 3DBenchは内臓ストレージ容量を圧迫するだけの無駄アプリになります。
また、たとえ同じ製品だったとしても、RAM 4GB+内蔵ストレージ 64GBモデルと6GB+128GBモデルが存在する場合、前者はAnTuTu 3DBench Liteで後者はAnTuTu 3DBenchがインストールされます。
計測項目 | 通常版 | Lite版 |
1 | Refinery
(OpenGL ES 3.1+AEP) |
Marooned
(OpenGL ES 3.0) |
2 | Terracotta
(Vulkan) |
Coastline
(Vilkan) |
3 | Swordsman
(Vulkan) |
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上の表がAnTuTu 3DBenchとAnTuTu 3DBench Liteで行われる計測で、全く違った計測を行っているのがわかると思います。
そのため、通常版とLite版の比較は不適当で、通常版と通常版、Lite版とLite版を比較するようにしましょう。v8が主流だったときに軽量版のAnTuTu Goが配信されていましたが、この時も通常のAnTuTu Benchmark v8との比較は不適当だったのでその認識を続けるだけです。