Appleが同社初の2nmプロセスを採用した「A20 Pro」を発表、ニューラルアクセラレータを統合した「スーパーコア」を搭載

Appleが同社初の2nmプロセスを採用した「A20 Pro」を発表、ニューラルアクセラレータを統合した「スーパーコア」を搭載

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iPhoneを開発しているAppleは日本時間の2026年9月9日に新製品発表会を開催し、新製品としてiPhone 18 Proと18 Pro Max、同社初のフォルダブル製品のiPhone Duoを発表しました。そして、それらの製品に新SoCとなるA20 Proを搭載することを発表し、いくつかの仕様を明らかにしたのでまとめます。

 

iPhone 18 ProとiPhone 18 Pro Maxが搭載するA20 Proは同社として初めてとなる2nmプロセスで製造されたSoCです。「同社として初」なのは、競合他社のサムスン電子が2025年12月にExynos 2600を発表しており、こちらが世界で初めて2nmプロセスを採用したSoCとなっているためです。

 

ただ、Exynos 2600の2nmプロセスはサムスンファウンドリで、A20 Proの2nmプロセスはTSMCなので「TSMCの2nmプロセス」に限定すれば世界初となります。ただ、そんな称号が無くてもAppleの開発能力は世界一と称しても問題ないので、そこにこだわる必要は無いように感じます。ちなみに、詳細なプロセスについてAppleは明らかにしていませんが、事前情報から第1世代のN2と判明しています。

 

TSMCはA20 Proが採用したN2について、iPhone 16 Proと16 Pro Maxが搭載したA18 ProのN3Eと比較して、同一の消費電力で10%から15%の性能向上、同一の性能で25%から30%の電力効率の向上、15%以上のトランジスタ密度を実現するとしています。昨年のA19 ProはN3Eの改良版にあたるN3Pなので前述の数値がそのまま表現されるわけではありませんが、かなりの期待をしてもいいのではないかと思います。

 

CPUはAppleと言えばこの構成となっている2+4構成を採用しています。ただ、これまでと少し異なった点があり、今までは高い性能を発揮するコアをPerformance Coresと呼称していましたが、新たに発表したA20 Proではスーパーコア (Super Cores)と呼称しています。

 

このスーパーコアの呼称は2026年3月に発表したM5 ProとM5 Maxから採用が始まっており、その流れがiPhone向けのA20 Proにも降りてきたと考えられます。ただ、このスーパーコアへの呼称の変更によって設計が大きく変わることはなく、あくまでも呼び方が変わっただけです。情報をすべて取り込みたいといった人でなければ特別気にする必要はありません。

 

一応、このスーパーコアの誕生に伴って新しい高性能コアが誕生しており、M5 ProとM5 Maxのプレスリリースでは「より電力効率が高く、マルチスレッドパフォーマンスを提供するために最適化された、まったく新しい高性能コアも導入」と記載されています。そのため、これまでの高性能コアをスーパーコアに変更し、空きとなった高性能コアに新しく電力効率が高い新設計の高性能コアが入ることになり、新しい高性能コアはスーパーコアと高効率コアの間となって再出発します。

 

話が少し脱線しましたがA20 ProのCPU性能はA19 Proと比較して20%高速で、A18 Proと比較して30%高速、iPhone 13 Pro Maxが搭載したA15 Bionicと比較して80%も高速としています。また、新しいCPUにはNeural Acceleratorを統合しており、低遅延でオンデバイスAIを動作させることが出来ると発表しました。

 

A20 ProのGPUは7基で、1世代前のA19 Proと2世代前のA18 Proでは6基だったので1基増えました。GPUが5基から6基になったのは2023年9月に発表したA17 Proから、4基から5基になったのは2021年9月に発表したA15 Bionicからなので、8基に増えるのは2028年や2029年になるでしょうか。

 

性能に関してはA19 Proと比較して40%も向上しており、A18 Proと比較して80%も向上しています。また、CPUと同じくNeural Acceleratorを統合しており、A19 ProからFP8の性能が2倍になったとしています。

 

実質的なNPUとなるNeural Engineは、これまでの倍となる32基を搭載しました。これにより性能が2倍になった上、効率もさらに向上したとしています。AIが生活に溶け込む現代においては、余程の理由がなければこの性能は高いほうがいいです。

 

Neural Engineについて振り返ると、16基構成を初めて採用したのはiPhone 12シリーズが搭載したA14 Bionicからで約6年前です。それ以降はA19 Proまで16基構成を採用し続けましたが、A20 Proで倍増しました。勝手な考察ですが、これからさらに倍増して64基構成になる未来はかなり遠いと考えており、近い将来に起こるのは性能の向上でしょう。

 

そして、大きな特徴としてメモリの帯域幅が50%増加しました。これまでのRAM規格は4x16-bit LPDDR5Xでしたが、新発表のA20 Proでは6x16-bit LPDDR5Xに変更され、最新規格のLPDDR6に匹敵する帯域幅を備えます。AI需要の高まりによってメモリの価格が高騰しているので、1世代前の規格で最新規格と戦えるのはかなりの強みなのに加えて、製品の価格の上昇を抑えることも出来る素晴らしい設計です。

 

AppleによるとA20 Proのパッケージングはより高性能なMシリーズから着想を得たものを採用しており、チップ本体とDRAMを横に並べて配置するようにしています。従来の設計ではチップの上にDRAMを配置する方法を採用していましたが、この新たな配置方法によってチップから発生した熱を直接散熱機構 (ベイパーチャンバー)に流し、放熱の効率を高めることが可能になりました。

 

この散熱・放熱の効率を高めたことで持続的に発揮する性能が、昨年のA19 Proを搭載したiPhone 17 Proと比較して40%高く、さらに前年のA18 Proを搭載したiPhone 16 Proと比較して2倍も高くなったようです。スマートフォンは瞬間的な性能も大事ですが、日々日常生活に欠かせないものとなっているので継続して高い性能を発揮するのも同様に非常に大事です。

 

A20 ProはiPhone 18 ProとiPhone 18 Pro Maxが搭載します。価格は、iPhone 18 Proの256GB版が219,800円 (税込)から、iPhone 18 Pro Maxの256GB版が239,800円 (税込)からに設定されています。日本市場における販売日時は2026年9月18日からで、公式のApple Storeの他に、MNOのNTTドコモやau、SoftBankや楽天モバイルから購入できます。

 

そして同日に同社初のフォルダブル製品のiPhone Duoを発表し、こちらの製品もA20 Proを搭載していることを明らかにしました。同社の発表によると新しいディスプレイエンジンはデュアルディスプレイをサポートし、また、アンダーディスプレイカメラもサポートすること明らかにしました。CPUやGPU、Neural Engineの性能はiPhone 18 Proと同じです。

 

A20 Proを搭載するiPhone DuoはiPhone 18 Proと同日に販売するのではなく、2026年10月16日より予約受付を開始し、10月23日に販売を開始します。発表から1ヵ月以上空けるのは最近の展開では珍しく、この空白の期間で将来的な顧客の興味が失われないか心配です。

 

価格は256GB版が364,800円 (税込)からで、最上位構成の2TB版は574,800円 (税込)に設定されています。日々持ち歩くものに60万近く払うのは勇気がいることですが、Apple初のフォルダブル製品を使い倒そうと考えている人にとっては多少痛手を負っても挑戦する価値はありそうです。

 

 

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