台湾のMediaTekは2024年7月16日、新製品としてDimensity 7350を発表しました。この製品はある製品の強化版ですが、下にある表を見ないと少しわかりにくいです。よくも悪くもMediaTekらしい名称の付け方です。
名称 | Dimensity 7350 | Dimensity 7300 | Dimensity 7200 |
CPU | 2x Cortex-A715
6x Cortex-A510 r1 |
4x Cortex-A78
4x Cortex-A55 |
2x Cortex-A715
6x Cortex-A510 r1 |
動作周波数 | 3.00GHz
2.00GHz |
2.50GHz
2.00GHz |
2.80GHz
2.00GHz |
GPU | Mali-G610 MC4 r0p0 | Mali-G615 MC2 r1p3 | Mali-G610 MC4 r0p0 |
動作周波数 | ? | 1047MHz | 1130MHz |
NPU/DSP | NPU 657 | NPU 655 | NPU 650 |
カメラ | 14-bit Imagiq 765 HDR-ISP
2億画素 |
12-bit Imagiq 950 HDR-ISP
2億画素 |
14-bit Imagiq 765 HDR-ISP
2億画素 |
リフレッシュレート | 144Hz (FHD+) | 120Hz (WFHD+)
144Hz (FHD+) |
144Hz (FHD+) |
エンコード/デコード | Encode: 4K@30fps H.265, H.264
Decode: 4K@30fps H.265, H.264, VP9 |
Encode: 4K@30fps H.265, H.264
Decode: 4K@30fps H.265, H.264, VP9 |
Encode: 4K@30fps H.265, H.264
Decode: 4K@30fps H.265, H.264, VP9 |
RAM | LPDDR5 (6400Mbps)
LPDDR4X (4266Mbps) |
LPDDR5 (6400Mbps)
LPDDR4X (4266Mbps) |
LPDDR5 (6400Mbps)
LPDDR4X (4266Mbps) |
ストレージ | UFS 3.1 | UFS 3.1 | UFS 3.1 |
Wi-Fi | Wi-Fi 6E (11ax) | Wi-Fi 6E (11ax) | Wi-Fi 6E (11ax) |
Bluetooth | Bluetooth 5.3 | Bluetooth 5.4 | Bluetooth 5.3 |
位置情報 | GPS, BeiDou, GLONASS, Galileo, QZSS, NavIC | GPS, BeiDou, GLONASS, Galileo, QZSS, NavIC | GPS, BeiDou, GLONASS, Galieo, QZSS, NavIC |
通信 | 統合: 5G Modem
(DL: 4.7Gbps) |
統合: 5G Modem
(DL: 4.7Gbps) |
統合: 5G Modem
(DL: 4.7Gbps) |
充電規格 | - | - | - |
製造プロセス | TSMC 4nm N4P | TSMC 4nm N4P | TSMC 4nm N4P |
型番 | ? | MT6878 | MT6886 |
新製品のDimensity 7350の主な仕様は、製造プロセスがTSMC 4nm N4P、CPUは最大3.00GHzで動作するCortex-A715と最大2.00GHzで動作するCortex-A510 Refreshedを4+4構成で採用、GPUはMali-G610 MC4、RAM規格はLPDDR5、内蔵ストレージ規格はUFS 3.1、モバイルデータ通信は5G NRに対応しています。
上の表を見るとわかりやすいと思いますが、今回のDimensity 7350はmoto razr 50が搭載したDimensity 7300の強化版ではなく、不思議なことにDimensity 7200の強化版です。これ関係を正しく理解しないで名称だけを見て性能を比較すると混乱すると思います。
CPUは高性能なCortex-A715が最大2.80GHzから最大3.00GHzの上昇しました。Dimensity 7200と強化されたDimensity 7350を両方採用しているNothingによると、CPU性能は10%も向上しているとしています。
GPUはNothingによると最大1.3GHzで動作するとのことですが、細かい数値が不明なので現時点では不明とします。こちらもCPUと同じくNothingによると30%も性能向上しているとしています。
この他の違いとしてはNPUで、どちらも6世代のものを採用していますが、NPU 650からNPU 657に強化されています。これによってAI性能がどのように向上したのか明らかにされていませんが、ただCPUとGPUだけが違うというわけではないことがわかります。
Dimensity 7350はNothing Phone (2a) Plusが初搭載しています。実際にはNothingの製品に最適化したDimensity 7350 Proというものですが、発揮される性能はほぼ同じなのでこの製品を初搭載製品としています。
容量は12GB+256GBのみを用意しており、価格は399米ドル (約58,000円)に設定されています。ちなみに、RAM拡張を行うと最大20GBになります。
このNothing Phone (2a) Plusは日本市場へ投入されていませんが、通常版のNothing Phone (2a)は比較的早期に投入されているため、ほんのわずかですが期待はしてもいいかもしれません。