中国のHuaweiは2023年9月25日に新製品発表会を開催し、新製品としてKirin A2 (麒麟 A2)を発表しました。従来のKirin A1 (麒麟 A1)は2019年9月に発表されたため、4年ぶりの新製品となります。
Kirin A2はTWSのFreeBuds Pro 3が初搭載し、前代のFreeBuds Pro 2が搭載したBestechnic (恒玄科技)製のBES2700YPと比較して、Bluetoothの伝送効率が4倍に向上し、2Mbpsから8Mbpsになりました。
また、業界で初めてPolarコード技術を採用したことで耐干渉能力が2倍に向上し、外部の干渉に耐えてロスレス伝送を効率よく行えるとしています。
この他に、デュアルDSPアーキテクチャを採用し、計算能力が50%も向上したと発表しています。これにより、Kirin A2はより効率的な信号処理機能を実現し、より没入感のある空間を提供し、ノイズリダクションの精度が向上し、より通話がクリーンになるとしています。
Kirin A2を初搭載したFreeBuds Pro 3はすでに分解されており、型番がHi1132と判明しています。しかし、不思議なことにKirin A1の型番も同じくHi1132です。
HuaweiはBES2700YPを搭載したFreeBuds Pro 2はKirin A1を搭載したFreeBuds Proからさまざまな性能が向上したと発表していますので、Kirin A1の4年後に発表されたKirin A2が同じ性能であるはずがありません。
実はこのように同じ型番が付与されたのは初めてではなく、HUAWEI Mate 60シリーズが搭載しているKirin 9000sとHUAWEI Mate 40 ProシリーズやHUAWEI P50 Proが搭載したKirin 9000は同じ型番が付与されています。
一般的に違う製品には違う型番を付与しますが、どうやらHuaweiは何か理由があって過去の製品が使用した型番を再度使用する方針を取っています。この謎を解明するにはHuaweiが新しい製品をもう少し発表する必要があります。
記事執筆時はFreeBuds Pro 3は中国で販売を開始しており、価格は1499元 (約30,500円)に設定されています。
日本市場ではFreeBuds ProとFreeBuds Pro 2が展開されているので、おそらくはFreeBuds Pro 3も展開されるのではないかと予想しています。