2024年Q4 (10月-12月)の発表が予想されているSnapdragon 8 Gen 4は、CPUを開発する企業のNUVIAによる自社開発CPUを搭載すると見られています。このSnapdragonをどこで製造するかで性能が大きく左右されるので気になるところですが、現時点では台湾TSMCの3nmプロセスを使用して製造するとの見通しが強いです。
中国の情報通の@数碼閑聊站氏によると、Snapdragon 8 Gen 4は買収したNUVIAによる自社開発CPUを搭載した製品で、コア構成は超高性能なPhoenix-Lを2基と高性能なPhoenix-Mを6基の2+6構成を採用するようです。
QualcommはNUVIA製CPUの名称をOryon (オライオン)と発表していますが、この名称は今の多くの製品が搭載しているKryo (クライオ)に相当する名前です。そのため、PhoenixはCPUを構成するCortexに相当する名称となり、Phoenixで構成されたCPUをOryonと呼称するといった認識が正しいです。
そして、製造元は韓国のサムスン電子ではなく、台湾のTSMCとされています。製造プロセスは3nmプロセスに基づくN3Eとされ、これはAppleのiPhone 15 Proシリーズが搭載すると見られている最新のApple A17 Bionicも同じく3nmプロセスに基づいていますが、詳細なプロセス技術の名称はN3 (現: N3B)で、Snapdragon 8 Gen 4のN3EはN3 (N3B)を改良したものです。
N3EはN3 (N3B)とロジック密度は同じですが、同じクロック数の場合に5%の性能向上が期待できる製造プロセスです。懸念点としては、現在Appleが3nmプロセスラインの90%を支配しているとされており、その支配が続くのであればSnapdragon 8 Gen 4の生産に影響が出てしまう可能性があります。
初搭載する企業は明らかにされていませんが、最近の流れを見るとXiaomiとvivo、OnePlusあたりが有力です。最近はLenovo傘下のMotorolaも初搭載する企業のひとつですが、やはり現時点ではXiaomiやvivoが強いでしょう。
ちなみに、2023年10月に発表予定のSnapdragon 8 Gen 3の供給価格はMeizu 20シリーズが搭載したSnapdragon 8 Gen 2の160米ドル (約23,500円)よりもさらに高くなると予想されています。そのため、Snapdragon 8 Gen 4は200米ドル (約29,500円)を軽く超えるかもしれません。
フラッグシップ製品の価格が20万円を超える状態が珍しくなくなりましたが、製品の根幹となるSoCの価格がさらに高騰すると30万円を軽く超える未来があるかもしれません。