Meizu 20 Infinity 無界版で衛星通信が利用できないのは「明確なルール」がないためか

Meizu 20 Infinity 無界版で衛星通信が利用できないのは「明確なルール」がないためか

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2023年3月に発表されたMeizu 20シリーズの無界版となるMeizu 20 Infinity 無界版は衛星通信に対応したチップを搭載しています。しかし、販売されてから数ヶ月経っても衛星通信を利用することが出来ません。その原因は「明確なルール」が存在しないからではないかと推測されています。

 

Meizu 20 Infinity 無界版は親会社のGeely (吉利)傘下のGeespace (時空道宇)と共同開発した衛星通信チップMeizu Tianwen S1 (魅族天門 S1)が搭載されており、理論上は衛星通信が利用できます。しかし、販売された後も衛星通信を利用することは出来ていません。

 

中国の情報通の@数碼閑聊站氏によると、この衛星通信は現時点では規格もルールも正式に制定されていないようで、この自社開発 (共同開発)した双方向衛星通信チップはまだ技術研究段階にある状態になるとのこと。

 

そして、他の情報通の@科技瘋匯氏によると、Geelyは独自の衛星となるGeeSAT (吉利星座)を打ち上げており、Meizu 20 Infinity 無界版が搭載した双方向衛星通信チップのMeizu Tianwen S1は普遍的なBeiDou (北斗)ではなく、この独自の衛星となるGeeSATを利用するために開発されたと明らかにしています。

 

また、@数碼閑聊站氏は5G NTN (Non-Terrestrial Network)衛星通信に対応したZTE Axon 50 Ultraも含めて、当分の間は衛星通信に対応した市販される消費者向けの製品は出ないと投稿しました。そのため、現時点ではBeidouを利用したHuawei製品のみが独占的に利用できるようです。

 

Huaweiの衛星通信は2022年9月に発表された同社として初めて衛星通信に対応したHUAWEI Mate 50シリーズの他に、2023年3月に発表されたP60シリーズとMate X3、2023年4月に発表されたnova 11 Ultraなどが利用できます。

 

Meizu 20 Infinity 無界版やZTE Axon 50 Ultraで衛星通信が利用できるようになるには、中国政府による迅速なルール策定が必要になります。中国政府による宇宙は火星探査機のTianwen-1 (天問1号)や月面探査機のChang'e-5 (嫦娥5号)などの打ち上げがあります。また、少し話はそれますが、武漢大学の学生によって制作された小型地球観測衛星の啓明星1号 (Qimingxing 1)もあります。

 

しかし、国家の威信にあまり影響しない普通の企業による衛星に関してはあまり興味を示していないようなので、現時点ではBeiDouを利用しない他の方法での衛星通信は近い将来に商用化することはないでしょう。

 

 

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