GoogleはPixel製品に自社開発SoCのGoogle Tensorを搭載しており、Pixel 7シリーズはGoogle Tensor G2を搭載しています。今回、Pixel 9シリーズが搭載する予定のGoogle Tensor G4に関する情報が流れてきました。
韓国メディアのGlobal Economicによると、Google Tensor G3はサムスン電子と協力して半導体設計を行い、サムスン電子の4nmプロセスに基づくSF4P(旧4LPP+)で製造されるとしています。そして、その後継製品のGoogle Tensor G4はGoogleが自社で設計を行い、台湾のTSMCの4nmプロセスに基づくN4もしくはN4Pで製造されることが濃厚です。
ただ、通信モデムに関してはサムスン電子のExynos Modemを供給する予定で、SoCはTSMCで製造、通信モデムはサムスン電子で製造したものを採用し、優れたものを複合的に採用する可能性が高いとされています。
Google Tensorはすべての開発をGoogleが行っているのではなく、サムスン電子の半導体設計を行うシステムLSI事業部と協力して開発しています。実際、Google TensorとGoogle Tensor G2はサムスン電子の5nmプロセスに基づくSF5E(旧5LPE)で製造されており、Galaxy S21シリーズが採用したExynos 2100をベースとしていると伝えられています。
そのため、Google Tensor G4でサムスン電子との緊密な協力関係を解消し、自社で半導体を設計してサムスン電子から離れることになります。しかし、Googleはサムスン電子の3nmプロセスに興味を示していることが明らかになりました。
業界に明るい人物によると、Googleがサムスン電子の3nmプロセスに興味を示している理由として、サムスン電子の5nmプロセスと4nmプロセスはTSMCと同じプロセスと比較して電力効率が悪いですが、3nmプロセスに関してはサムスン電子のほうが優れているためとしています。
さらに、ウェーハの価格もTSMCのほうが高価とされており、より優れた性能を発揮できる高性能なSoCを開発できるのであればサムスン電子を選ぶのは間違っていません。現時点での印象としてTSMCでの製造を期待する声が大きいのは事実ですが、青天井に高価格になりつつあるフラッグシップ製品の価格を調整するのは当然です。そのため、Googleがサムスン電子の3nmプロセスに興味を持つのは当たり前の動きと言えそうです。
最近、サムスン電子DS部門長(社長)のキョン・ケヒョン氏は、KAISTでの公演で今後5年以内にTSMCに追いつくと明らかにしたことがあります。同氏は「現在、サムスン電子の4nmプロセスはTSMCより3年、3nmプロセスは1年ほど遅れている」とし「しかし、TSMCが2nmプロセスを導入すると業界に変化が起こるだろう」と話し、業界に変革を起こす予定であることを示唆しました。