韓国メディアのGlobal Economicはサムスン電子のファウンドリ事業を担うSamsung Foundryの5nmプロセスの歩留まりが70%以上だと報じました。
歩留まり率は良品率とも呼ばれ、ひとつの製造で不良品の発生率が20%であった場合に歩留まりが80%となります。この数値が高ければ高いほど素晴らしい製造ができていると評価できます。
Samsung Foundryはこの歩留まりが低いとされ、生産すればするほど規格に適合しない不適合品が多く製造される現状でした。同社の4nmで製造されたSnapdragon 8 Gen 1は、2022年2月の報道で35%とされており、安定した製造・安定した供給に影響が及んだとの報道があります。
今回、韓国メディアはSamsung 5nmの歩留まりが70%以上と報道し、この数値は競合他社のTSMCと比較して0.5から1世代ほど遅れているとしていますが、世界最高の水準だと評価しています。
ただ、1世代先の技術の4nmに関しては改善の余地が多いようです。Pixel 7とPixel 7 Proが搭載したGoogle Tensor G2は、この歩留まりを考慮して5nm SF5Eを選択した可能性があります。
そして、業界に先立ってGAA構造を採用した3nmに関しては特に触れられておらず、厳しい製造を行っていると考えてもいいでしょう。今のところ、同プロセスを採用したのは暗号チップのみとされており、2022年の間に他のチップが製造される可能性は低いようです。