Snapdragon 8+ Gen 1を搭載したROG Phone 6 Proと、特別なDimensity 9000+を搭載したROG Phone 6D Ultimateの性能を、AnTuTu Benchmark v9とGeekbench 5で算出された点数を用いて比較します。
今回は両製品の性能の上がり幅をわかりやすくするため、Snapdragon 888+ 5Gを搭載した従来製品のROG Phone 5s Proも比較対象に加えています。
ちなみに、これらの製品の容量は、ROG Phone 6 Proは18GB+512GB、ROG Phone 6D Ultimateは16GB+512GB、ROG Phone 5s Proは18GB+512GBです。
Snapdragon 8+ Gen 1と特別なDimensity 9000+は、共通して製造プロセスはTSMCの4nmに基づくN4、CPUはCortex-X2を1基、Cortex-A710を3基、Cortex-A510を4基の1+3+4構成です。
CPUの動作周波数は前者が3.19GHz、2.75GHz、2.02GHzで、後者が3.35GHz、3.20GHz、1.80GHzに設定されており、総合的に見ると特別なDimensity 9000+の方が高く設定されています。
GPUは前者がAdreno 730で900MHz、後者がArmのMali-G710 MC10で955MHzに設定されています。
AnTuTu Benchmark v9におけるROG Phone 6 Proの性能は、CPU性能が265,858点、GPU性能が468,486点、MEM性能が194,294点、UX性能が189,708点で、総合性能が1,118,346点となりました。
ROG Phone 6D Ultimateの性能は、CPU性能が288,840点、GPU性能が431,633点、MEM性能が212,005点、UX性能が203,575点で、総合性能は1,136,053点となりました。
Snapdragon 888+ 5Gを搭載したROG Phone 5s Proと比較すると、CPU性能はSnapdragon 8+ Gen 1が約23.9%、特別なDimensity 9000+は約34.6%の成長に成功し、GPU性能は前者が約43.6%、後者が約32.3%の成長に成功しました。
CPU性能は特別なDimensity 9000+の方が高く成長し、要因はCortex-X2とCortex-A710の動作周波数が高く設定されているためです。特にCortex-A710に差があるので、こちらで大きな差が生まれたと考えています。
GPU性能はSnapdragon 8+ Gen 1の方が高く成長し、Adrenoの優位性を守ったと感じます。異なるGPUを採用しているので軽く触れると、Mali-G710を最大積載量のMC16まで採用していたら同等の性能を発揮していたかもしれません。
MEM性能でROG Phone 6D Ultimateが優れたのは、RAMの規格がLPDDR5ではなくLPDDR5Xを採用しているためです。
Geekbench 5におけるSnapdragon 8+ Gen 1の性能は、シングルコア性能が1,322点、マルチコア性能が4,222点で、特別なDimensity 9000+の性能は、前者が1,401点、後者が4,711点となりました。
Snapdragon 888+ 5Gと比較すると、Snapdragon 8+ Gen 1は約13.0%と約16.4%で、特別なDimensity 9000+は約19.7%と約29.9%の成長に成功しました。
両性能ともに特別なDimensity 9000+の方が高い性能を発揮しており、こちらもAnTuTu Benchmark v9のCPU性能で解説した通り、CPUの動作周波数の差によって大きな差が発生しました。
ROG Phone 6 ProとROG Phone 6D Ultimateを比較してわかったことは、CPU性能は後者が優位、GPU性能は前者が優位なことです。
そのため、完全にどちらかが優れているという状態ではないため、評価の難しい製品が誕生しました。
ただ、「ROG Phone」はゲーム利用が主になるので、それを考慮するとSnapdragon 8+ Gen 1を搭載したROG Phone 6 Proがやや優位に立つかもしれません。
ROG Phone 6D Ultimateも高い性能を発揮しているので、ゲーム利用を目的にこちらを購入することは決して間違った選択とはなりません。そのため、今回の両製品は完全に好みで選んでいいと思います。