AnTuTu BenchmarkやAITUTU Benchmarkを開発・提供しているAnTuTuは、HUAWEI完全子会社HiSiliconが開発したHUAWEI Kirin 9000のAnTuTu Benchmark v8スコアを公開(リーク)しました。Kirin 9000はHUAWEI最後のハイエンドSoCと呼ばれており、HUAWEIが自社で発揮できる最後の性能となる見込みです。
AnTuTu BenchmarkのデータベースにはHWNOHという名称の機種が存在しており、型番はNOH-NX9、RAM 8GB+内蔵ストレージ 256GB、Android 10、FHD+(2772x1344)ディスプレイ、メインカメラに5000万画素を採用していることを明らかにしています。NOH-NX9はタイの認証機関NTBCにてHUAWEI Mate 40 Proとして認証を通過していますので、今回AnTuTuが公開したKirin 9000搭載機となるHWNOHはHUAWEI Mate 40 Proとなります。そしてHUAWEIやHONOR製品はパフォーマンスモードと省電力モードを有していて、性能に大きな差が生まれるようになっていますが、今回の計測はどちらのモードで計測されたのかは明らかにされていません。
そしてAnTuTuはKirin 9000のスペックとしてCPUは4xARM Cortex-A77+4xARM Cortex-A55のオクタコア構成で、GPUはARM Mali-G78を採用していることを明らかにしています。
気になるKirin 9000の性能はCPU性能が189,670点、GPU性能が287,962点、MEM性能が126,589点、UX性能が89,384点で総合性能は693,605点となっています。HUAWEI P40シリーズやHUAWEI Mate 30シリーズに搭載されているKirin 990 5Gと比較してCPU性能は約32%、GPU性能は約71%、総合性能は約39%の向上となっており、特にGPU性能の伸びがすばらしいです。HUAWEI P30シリーズやHUAWEI Mate 20に搭載されているKirin 980からKirin 990 5GのGPU性能の成長幅は約23%となっていて、GPU性能の低さがKirin SoCの弱点としてあげられていましたがKirin 9000では解消という言葉では足りなく、代表的な性能と言えるレベルまで成長しています。
AnTuTu Benchmark v8のMEM性能はRAM容量や内蔵ストレージ容量によって変動しますが、LPDDR5規格の8GB+UFS 3.1規格の256GBと2020年のハイエンドにおける普通の構成を採用している一方で圧倒的な性能となっています。更にSnapdragon 865 5GとSnapdragon 865 Plus 5GはLPDDR5規格を採用した機種のスコアを採用していますが、LPDDR4X規格を採用したKirin 990 5Gよりも低いスコアとなっているため、Kirin SoCはRAMや内蔵ストレージの読み書きを早くする最適化を行っている可能性が考えられます。