Samsungは新しいミドルレンジ市場向けプロセッサーとしてSamsung Exynos 880(S5E880)を発表しました。3桁の名前を採用したプロセッサーとしてはExynos 980、Exynos 990に続いて3種類目となります。5G通信対応モデムを統合したモデルとしてはExynos 980に続いて2種類目です。
名称 | Exynos 880 | Exynos 980 | Exynos 9611 |
CPU | 2xA77 + 6xA55 | 2xA77 + 6xA55 | 4xA73 + 4xA53 |
周波数 | 2.0GHz + 1.8GHz | 2.2GHz + 1.8GHz | 2.3GHz + 1.7GHz |
GPU | Mali-G76 MP5 | Mali-G76 MP5 | Mali-G72 MP3 |
周波数 | ? | 728MHz | 1053MHz |
NPU | 内蔵 | 内蔵 | ? |
カメラ | 6400万画素
2000万画素+2000万画素 |
10800万画素
2000万画素+2000万画素 |
6400万画素
1600万画素+1600万画素 |
リフレッシュレート | ? | ? | 60Hz |
RAM | LPDDR4X | LPDDR4X | LPDDR4X |
ストレージ | UFS 2.1
eMMC 5.1 |
UFS 2.1
eMMC 5.1 |
UFS 2.1
eMMC 5.1 |
Wi-Fi | Wi-Fi 5 | Wi-Fi 5 | Wi-Fi 5 |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 |
通信 | 5G NR
Sub-6GHz(2.55Gbps/1.28Gbps) EC-DC(3.55Gbps/1.38Gbps) 4G LTE LTE Cat.16/18(1Gbps/200Mbps) |
5G NR
Sub-6GHz(2.55Gbps/1.28Gbps) EC-DC(3.55Gbps/1.38Gbps) 4G LTE LTE Cat.16/18(1Gbps/200Mbps) |
4G LTE
Cat.12/13(600Mbps/150Mbps) |
位置情報 | GPS
GLONASS BeiDou Galileo |
GPS
GLONASS BeiDou Galileo |
GPS
GLONASS BeiDou Galileo |
製造プロセス | 8nm FinFET | 8nm FinFET | 10nm FinFET |
内部コード | S5E880 | S5E980 | S5E9611 |
Samsung Exynos 880のスペックはSamsung製8nm FinFET製造プロセスを採用し、CPUは2xARM Cortex-A77(2.0GHz)+6xARM Cortex-A55(1.8GHz)のオクタコア構成、GPUはARM Mali-G76 MP5(周波数不明)、5G NR通信はSub-6GHz帯のNSA/SA(ノンスタンドアローン/スタンドアローン)方式に対応しています。Exynos 980からの変更点はA77コアが0.2GHzクロックダウン、ISPが変更されて最大画素数が10800万画素(1億800万画素)から6400万画素対応となっています。GPUはMali-G76 MP5で構成は同じですが周波数が伏せられており、CPUの周波数が下がっているので同様に下がっていると考えています。Exynos 880はExynos 980の低クロックモデルと認識するのが良いでしょう。
Exynos 980のAnTuTu Benchmark v8でのスコアはCPU性能が118,000点でGPU性能が88,000点、その他MEM性能やUX性能を合算すると総合性能は326,000点程度になっています。今回、Exynos 880はCPUの周波数が下がっていることが確認できるため30万点前後になると考えています。GPUの周波数が据え置きだった場合は31万点前後になるでしょう。Geekbench v5ではすでにスコアが判明しており、シングルコア性能は641点でマルチコア性能は1,814点となっています。
初搭載機はvivoが発表したvivo Y70sとなっています。vivoはSamsung製プロセッサーを積極的に採用しており、Exynos 980もvivo X30/X30 ProがSamsung Galaxy製品よりも先に初採用しています。vivo Y70sの価格は6GB+128GBモデルが1998元(約30,000円)、8GB+128GBモデルが2198元(約33,000円)に設定されており、6月1日より販売開始となります。