アメリカ合衆国が中国のHuaweiへの制裁を強化したことを商務省(DOC)が明らかにしました。
Huaweiへの制裁は2019年5月から続いていますが今回の大きな特徴として外国での半導体の設計及び製造することを制裁していますので、HuaweiやHonorのスマートフォンが搭載しているSoCの開発を行っているHiSiliconに多大なる影響が生まれます。Huawei Kirinプロセッサーは台湾のTSMCで製造されていますが、「アメリカ由来の技術」を「台湾の工場」が利用することで“抜け道”として利用しているのに過ぎていません。今回の制裁は「アメリカ由来の技術」を利用することを制限しますので、新たなKirinプロセッサーが生まれにくくなります。
最近のTSMCが製造を行ったHuawei KirinプロセッサーはHuawei Kirin 990 5G、Huawei Kirin 985、Huawei Kirin 820が挙げられ、HuaweiとHonorにとってこれからの次代を担うプロセッサーであるため、今回の制裁はHuaweiにとっては泣きっ面に蜂です。更にTSMCとしても大口の顧客を逃すので今回の制裁はいろいろなところで影響があります。
ちなみに日本経済新聞によると中国共産党系メディアの環球時報は「AppleやQualcomm、Ciscoやボーイングを標的に報復する準備がある」という社説を掲載していることを明らかにしており、今回の制裁によって報復合戦になる可能性が出てきています。ただ、Qualcommへの制裁を行った場合、自国の企業のOPPOやvivo、Xiaomiにも多大なる影響が生まれるため、制裁を行う範囲はしっかりと考えたほうが良いと思います。