Huawei Mate 30 5GとHuawei Mate 30 Pro 5Gが本日より販売開始となりましたので、Huawei子会社のHiSiliconが開発したHuawei Kirin 990 5GのAnTuTuベンチマークスコアが判明しました。
HuaweiやHonor製品が搭載しているEMUIには初期状態ではHuawei Kirin 990 5Gのパフォーマンスを引き出せないようになっていますが、今回は真価を発揮するパフォーマンスモードと非パフォーマンスモード双方のベンチマークスコアを入手することに成功しましたので、簡単に比較を行います。
データ取得に使用したスマートフォンは、RAM 8GB+内蔵ストレージ 256GBのHuawei Mate 30 Pro 5Gです。
Kirin 990 5Gはフラッグシップモデル向けプロセッサーとして初めて5G通信に対応するモデムが統合されたSoCです。今現在は4G LTE市場のほうが多いので5Gモデムが統合していないKirin 990も存在しています。
Kirin 990 5GとKirin 990の大きな違いはCPUのクロック周波数、GPUのクロック周波数、製造プロセスの3点です。
気になる性能はパフォーマンスモードではUX性能が59,031点、MEM性能が92,866点、GPU性能が155,263点、CPU性能が152,678点で総合性能は460,108点という結果になりました。
非パフォーマンスモードではUX性能が56,698点、MEM性能が90,154点、GPU性能が143,064点、CPU性能が134,481点で総合性能は426,397点という結果で、パフォーマンスモードは非パフォーマンスモードと比較して約8%程高性能化します。
CPUとGPUの動きを制限しているようなので、ゲームをする人やエンコードを行う人はパフォーマンスモードが必須になると思いますが、それ以外の人は非パフォーマンスモードで十分だと考えています。
Kirin 990 5GはKirin 990(PM)の約2%、Kirin 980(PM)の約21%高性能化していますが、Kirin 990 5Gの非パフォーマンスモードはKirin 990のパフォーマンスモードよりも性能が低いことがわかります。“性能”を期待して購入するのであれば、従来機に負けている現状になるのでパフォーマンスモードが必須になると思います。
AnTuTu Benchmark v8ではRAM容量と内蔵ストレージ容量の肥大化に対して最適化を行っており、同じスマートフォンでも6GB+128GBモデルよりも8GB+256GBモデルのほうがスコア(MEM性能)が高くなるように調整されています。そのため、AnTuTu Benchmark v8では総合性能での比較は適当ではないので、ReaMEIZUではCPU性能とGPU性能を合算したCPU+GPU性能を総合スコアに換算して比較を行うようにしました。
このグラフではKirin 990 5G(PM)よりもKirin 990(PM)の方がスコアが高くなっており、細かく見ていくとCPU性能はKirin 990 5G(PM)が勝っていますが、GPU性能はKirin 990(PM)が勝っています。今回のデータではGPU性能が155,000点になっていますが、別のユーザーのデータでは159,000点が算出されているものもありますので、だいたい同じ性能と見ていいでしょう。
他社のプラットフォームやプロセッサーとのスペック比較です。Kirin 990 5Gは7nm+ EUV FinFET製造プロセスを唯一採用しており、技術力の高さが伺えます。
CPU+GPU性能ではSnapdragon 855を上回ることに成功しましたが、細かく見ていくとCPU性能はKirin 990 5Gが大きく上回っている一方でGPU性能はSnapdragon 855が上回っています。GPU性能はゲームをする際には必須の数値ですので、より快適にゲームをしたいのであればSnapdragon 855搭載機のほうがおすすめできます。
Geekbenchに関してはこちらの記事で詳しく書いていますので、ぜひ読んでください。