UNISOCがT750を発表、6nmプロセス、Cortex-A76を採用したミドルレンジ向けSoC

UNISOCがT750を発表、6nmプロセス、Cortex-A76を採用したミドルレンジ向けSoC

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中国のUNISOCが2023年4月8日に新SoCとしてT750を発表しました。同社の製品は高性能なものよりも、ミドルレンジ向けに確かな性能を誇るSoCを多く発表しており、T618やT610などが有名な製品としてあります。

 

名称 T760 T750 T740
CPU 4x Cortex-A76

4x Cortex-A55

2x Cortex-A76

6x Cortex-A55

4x Cortex-A75

4x Cortex-A55

動作周波数 2.21GHz+2.00GHz 2.0GHz+1.8GHz 1.82GHz+1.82GHz
GPU Mali-G57 MC4 Mali-G57 MC2 PowerVR GM 9446
動作周波数 600MHz 680MHz 800MHz
NPU/DSP 3.2 TOPS ? 3.2 TOPS
カメラ Vivimagic 6.0+Acutelogic 3A

6400万画素 or 3200万画素(25fps) or 2000万画素+1600万画素(30fps

Vivimagic 6.0

6400万画素 or 3200万画素(25fps) or 2000万画素+2000万画素(30fps)

6400万画素 or 2400万画素(30fps)
リフレッシュレート 60Hz(QHD+)

120Hz(FHD+)

90Hz(FHD+) 60Hz(QHD+)

60Hz(FHD+)

エンコード/デコード Encode: 4K@30fps 10-bit

Decode: 4K@30fps

Encode; 2K@30fps

Decpde: 2K@30fps

Encode: 4K@30fps

Decode: 4K@30fps

RAM LPDDR4X(2133MHz) LPDDR4X(1866MHz) LPDDR4X(1866MHz)
ストレージ UFS 3.1

eMMC 5.1

UFS 3.1

eMMC 5.1

UFS 2.1

eMMC 5.1

Wi-Fi Wi-Fi 5 (11ac) Wi-Fi 5 (11ac) Wi-Fi 5 (11ac)
Bluetooth Bluetooth 5.0 Bluetooth 5.0 Bluetooth 5.0
位置情報 GPS, Glonass, BeiDou, Galileo GPS, Glonass, BeiDou, Galileo GPS, Glonass, BeiDou, Galileo
通信 Sub-6GHz

(3.25Gbps/1.25Gbps)

LTE Cat.15/18

Sub-6GHz

(3.25Gbps/1.25Gbps)

LTE Cat.15/18

Sub-6GHz

(3.25Gbps/1.25Gbps)

LTE Cat.12

充電規格 - - -
製造プロセス TSMC 6nm N6 TSMC 6nm N6 TSMC 12nm 12FFC
型番 ums9620 ? UD710

UNISOCが発表したT750の主なスペックは、製造プロセスはTSMC 6nm N6、CPUは2.0GHzで動作するCortex-A76を2基、1.8GHzで動作するCortex-A55を6基の2+6構成、GPUは最大680MHzで動作するMali-G57 MC2 MC2、RAM規格はLPDDR4X、内蔵ストレージ規格はUFS 3.1、モバイルデータ通信は5G通信に対応しSub-6GHz帯をサポート、この他にWi-FI 5、Bluetooth 5.0に対応しています。

 

CPUはCortex-A76とCortex-A55を組み合わせ、高性能側は2基となっています。クロック数も最大2.0GHzとそれほど高い数値ではないので、昨今のミドルレンジ製品と同じ性能を発揮するでしょう。つまり、優れているとも優れていないとも表現できない程度です。

 

GPUはMali-G57 MC2で、クロック数が680MHzに設定されています。競合他社もMali-G57 MC2を採用した製品を発表していますが、クロック数がここまで低いことはないので、具体的な名称を出すとHelio G99やDimensity 700よりも低い性能を発揮するでしょう。ただ、T750が十分な性能を有しているのはカタログスペックからわかりますので、欲しいと思った製品が搭載していても問題はないでしょう。

 

上位製品のT760と比較すると、CPUはCortex-A76とCortex-A55を組み合わせているという部分は同じですが、4+4構成と2+6構成なので高性能コアが多く採用されているため、まったく異なった性能を発揮するでしょう。また、GPUはMali-G57で共通ですがMC4とMC2で積載数が異なっており、Mali GPUは積載数によって大きく性能が異なるので、基本的にはT760の方が優れるでしょう。

 

下位製品のT740と比較すると、CPUは4+4構成と2+6構成でT740が優れているように見えますが、T740はCortex-A75でT750がCortex-A76を採用しているため、Geekbenchにおけるシングルコア性能はT750が優れ、マルチコア性能はT740が優れる可能性があります。ただ、T740のCortex-A75が最大1.82GHzで動作するため、マルチコア性能においてもT750が優れる可能性はあります。

 

初搭載製品や発表時期は今のところ明かされていません。UNISOCの製品は最初は中国の企業が採用し、その後さまざまな企業が採用するといった慣例があるので、今回発表されたT750も中国の企業が初搭載し販売するのではないかと考えています。同社はCortex-A77以降のCPUを採用した製品がないので大きな注目を浴びていませんが、realmeやNOKIAに採用されたことで大きくシェアを伸ばしている企業のため、今後の動向に注目すべき企業です。

 

 

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