知る人ぞ知る「UMIDIGI」のスマートフォンとなるUMIDIGI A7Sを入手し、使用してみましたので簡単にレビューを行います。
本製品はECサイトのBanggood(バンググッド)から提供して頂いたサンプル機です。なお、金銭の授受およびレビュー内容への干渉は一切ありません。全てReaMEIZUの感想なので、その点は安心してご覧ください。
UMIDIGI A7Sは2020年8月に発表された比較的新しい製品で、SoCにMediaTek MT6737とRAM 2GBと低いスペックを有しているため、OSには軽量版Android OSとなるGo Editionを採用したAndroid 10(Go edition)を搭載してしています。
大きな特徴として非接触型の体温計が搭載されている点で、昨今は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって体温の計測が日常化していることからこの製品はいくつか注目を集めています。また、LTE BandはB19やB28A/B28Bといった日本で使用するのに必需となっているものに対応しています。
箱は非常に簡素。ローエンド製品に過度な装飾がされている方が違和感がありますので、この程度で十分だと思います。
内容物はUMIDIGI A7S本体、専用TPUケース(本体に装着済)、説明書、SIMピン、ACアダプター(EU規格)、USB Type-Cケーブルとなっています。昨今のスマートフォン界隈ではACアダプターやUSBケーブルを付属させず環境に配慮する方向に進んでいますが、ハイエンド製品を購入する人は様々なアクセサリーを自分で揃えられることが出来る一方で、このUMIDIGI A7Sはローエンド製品ですのでこの製品を使用するために必要なものが全て付属しているというのは良いと思います。
説明書は機械翻訳ですが日本語があります。日本語を母国語としている人にとって自然な英語と機械翻訳の日本語では圧倒的に後者のほうが理解できるので、日本語が記載されているのはGOOD。
本体の重量は192g。UMIDIGI発表では195gと記載されているため、珍しく実機のほうが軽いです。
SIMスロットはnanoSIM+nanoSIM+SDカードのトリプルスロット。製品のランクが上がれば上がるほどSDカードが非対応になる少し面白いスマートフォン界隈です。
付属してくるTPUケースの出来は正直なところ良くないです。ですが、この様なケースの本質は本体の傷をいくつか減らすというのに重きが置かれていますので、それほど問題はないように感じます。
今回サンプルを頂いたUMIDIGI A7SはSky Blueという色。直訳すると青空ですが、本体の色はもう少し濃い青色となっています。背面は今風のデザインで、本体左上にカメラが配置され、左下には企業ロゴが描かれています。そして、ローエンド製品としては珍しく指紋認証非対応製品となっています。
前面はノッチディスプレイを採用し、このカメラを利用して顔認証を行うことが出来ます。指紋認証非対応で顔認証対応、そして温度計機能搭載と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を考慮するとちぐはぐ感がいなめません。デザインは下部の顎(あご)と呼ばれる部分が少し広めになっており、少々不格好になっている点はもったいなく感じています。
ホーム画面はドロワーのない作りになっており、全てのアプリが表示されるものになっています。Android Go edition搭載機ということでいくつかのGoogleアプリがGo editionに則したものになっており、5つのアプリがGoogle Go、Gmail Go、アシスタント Go、Maps Go、ギャラリー Goに変更されています。
起動直後のRAM利用容量は1.3GBで半分を超えています。内蔵ストレージは5.65GBでシステム5.4GBと非常に軽量なOSが搭載されています。
カメラは1300万画素+800万画素+200万画素のトリプルカメラを採用していますが、今回はすべてメインカメラとなる1300万画素で撮影。近距離での撮影はそれほど悪くない仕上がりになりますが、遠距離の撮影は・・・。また、手ブレ補正システムは当然搭載していませんので手の揺れをしっかりと感知し逆に斬新な手ブレ撮影が出来ます。スマートフォンのカメラに求められるのは「その場をいい感じに切り取る」ことだと考えており、このUMIDIGI A7Sはその使命を果たすことが出来ていないカメラだと思います。
簡単に性能をAnTuTu Benchmark v8とGeekbench 5.2.5、Androbenchで計測してみました。AnTuTu Benchmark v8においてはGPU性能が0点(すべての項目で非対応の表示)となっており、この点数ではソリティアや麻雀といった2D処理をメインとするゲームでも快適な動作は保証できないでしょう。また、安定性を確かめるのに使用される3DMark(Wild Life Stress Test)を計測してみようとすると、最小RAMが3GB以上であることが要件となっていることから、計測が出来ませんでした。
UMIDIGI A7Sは4150mAhのバッテリーとHD+(1600+720)液晶を採用しているためバッテリーの持ちが良いと考えてしまいますが、Geekbench 5.2.5程度の計測で47%から36%まで減るという悪い方の驚きのバッテリー持ちとなっていますので、CPUの周波数やディスプレイ解像度、バッテリー容量などの数字だけでは絶対にわからないこともあると理解させられました。
バッテリー持ちが悪い要因としてMediaTek MT6737が製造プロセスとして28nm HPM(high-performance mobile)を採用していることが考えられ、現在は5nmや7nmといった微細化が進み高性能化と省電力性が優れていますが、SoCとしての最適化が進んでいないときの製品となっているため、伝達速度の遅さが要因となって余計な負荷がかかった結果、バッテリー持ちが悪くなっていると考えています。
本体左側にあるボタンはスマートキーで、デフォルトではシングルクリックで体温計が起動、ダブルクリックでZello(トランシーバーアプリ)が起動、長押しでフラッシュライトの点灯が行なえます。このスマートキーは開くアプリを自分で変えることも出来ますので、シングルクリックでカメラを起動したり、長押しでスクリーンショットを撮影することが出来ます。
そしてUMIDIGI A7Sの特徴でもある赤外線を利用した非接触型の体温計ですが、使用前にCalibrate(キャリブレーション)を行う必要があります。その後計測が可能になり、粗悪な製品であった場合はそれっぽい温度を表示することもありますが、UMIDIGI A7Sは正しい温度が計測できました。体温計としてはしっかりと役目を果たしています。ただ、あくまでも目安であることは理解しておいた方が良いです。
そして、重要な情報としてUMIDIGI A7Sは技適を通過しその認証が本体内にありますので、問題なく日本で使用することが出来ます。
UMIDIGI A7Sはローエンド製品なので、様々な操作を満足に行うことが出来ないのは当然です。
記事タイトルの“Thermometer equipped with a Smartphone”は訳すとスマートフォンを搭載した温度計となり、このUMIDIGI A7Sは温度計が本体で、スマートフォンとしての機能が付属していると解釈すれば納得のできる製品です。この解釈に至るのはMT6737といったローエンドSoCが未だに出回っていることが要因と考えており、UMIDIGIはUMIGIDI A7Sの後継製品としてUMIDIGI A9が発表していますが、こちらはHelio G25を搭載しているのでいくつか緩慢な動作は改善されていると思います。
そのため、動作を求めるのであればUMIDIGI A9、温度計をメインにするのであればUMIDIGI A7Sと選択肢がありますので、自身が何を重きに置いているかを考えて選びましょう。
現在、BanggoodではUMIDIGI A7Sは7,911円、UMIDIGI A9は1,4768円で販売されています。Banggoodではいくつか便利なクーポンが発行されており、ReaMEIZUでも簡単にまとめていますので、こちらを一度拝見してみてください。
Banggoodからの購入は以下からどうぞ。