台湾TSMCが条件付きでHUAWEIにチップ供給が可能に、厳しい制約のもとでの供給

台湾TSMCが条件付きでHUAWEIにチップ供給が可能に、厳しい制約のもとでの供給

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台湾のTSMCが中国のHUAWEIに条件付きでチップの供給が可能になったことが明らかになりました。

 

TSMCはHUAWEI Kirin SoCの製造を受注し生産を行っており、5Gモデムを統合した初のハイエンド製品として発表されたHUAWEI Kirin 990 5GもTSMCで製造されたものです。業界第一位を多く担ってきたHUAWEIですが、最近は米中貿易摩擦の影響を直撃しており、2020年5月にアメリカ合衆国の商務省はHUAWEIがアメリカ合衆国由来の技術を利用することを禁止すると発表し同年9月にその制裁が正式に発行されたため、HUAWEIはTSMCで製造される高性能な製品を供給することが出来なくなっています。そんなHUAWEIに関する悪い情報ばかり流れている中、TSMCは「HUAWEI社への一部製品の供給を継続するためのライセンスが承認されました」とメディアに回答を行い、“一部の製品に限って”TSMCはHUAWEIに供給することが可能になりました。

 

しかし、供給が可能になったと言って喜んではいられません。可能になったのは成熟したプロセスノード、つまり28nm製造プロセスを利用し生産されたチップしか認められておらず、高性能なプロセスノードの10nmや7nm、HUAWEI Mate 40シリーズが搭載する予定のHUAWEI Kirin 9000が採用する5nmは製造が認められていません。許可が得られている28nm製造プロセスを採用した有名な製品として2013年や2014年のスマートフォンやタブレットが採用したQualcomm Snapdragon 800やMediaTek Helio X10があり、2020年にこれらの製品を搭載した製品は新たに発表されていません。更に今回許可されたのはスマートフォン用チップではないという報道があり、この許可ではHUAWEIの中心的な事業であるコンシューマー向け端末事業を復活させることは不可能です。

 

HUAWEI向けに製品を供給することがアメリカ合衆国の商務省によって認められている企業はいくつか存在しており、有名な企業としてIntelやAMDがあります。これらはHUAWEIの中核的な事業ではないPC向けということで許可が得られているといくつかのメディアは考えており、今回TSMCに許可が得られた28nm製造プロセスは前述の通りスマートフォン用チップではないということから別の製品が採用している可能性が高く、有力な製品としてHUAWEI WATCH GT2やHUAWEI FreeBuds 3が搭載しているKirin A1(Hi1132)が28nm製造プロセスを採用しているのではないかと予想されており、この製品の製造が認められた可能性を挙げているメディアがあります。しかし、Kirin A1は2019年9月に発表された製品ですがどこで製造されたのか、どの製造プロセスを採用しているのか全てが不明となっているので、今回TSMCが28nm製造プロセスを採用した製品の製造が認められましたが、Kirin A1の製造が可能になったわけではないことは注意し、HUAWEIは今も苦しい状態が続いていることを理解してください。

 

 

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