Snapdragon 8 Gen 3のベンチマークスコアが判明

Snapdragon 8 Gen 3のベンチマークスコアが判明

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Xiaomi 14と14 Proが初搭載したQualcommのSnapdragon 8 Gen 3のベンチマークスコアが判明したので過去の製品と比較します。

 

今回の比較のために引用したデータはピーク時の性能のため、継続的な利用を行った際の安定性に関しては考慮していません。そういった性能を知りたい場合は実際に動作させている様子がわかるレビュー記事や動画を見るといいでしょう。

 

Snapdragon 8 Gen 3の主な仕様は、製造プロセスはTSMC 4nm N4P、CPUはKryoで詳細には最大3.30GHzで動作するCortex-X4を1基、最大3.15GHzのCortex-A720を3基、最大2.96GHzのCortex-A720を2基、最大2.27GHzのCortex-A520を2基の1+5(3+2)+2構成、GPUは最大903MHzで動作するAdreno 750、RAM規格はLPDDR5X、内蔵ストレージ規格はUFS 4.0、モバイルデータ通信は5G NRに対応しSub-6GHz帯とmmWave (ミリ波)をサポート、この他の通信としてWi-Fi 7やBluetooth 5.4をサポートします。

 

製造プロセスはTSMCの4nmプロセスに基づくN4Pです。従来のSnapdragon 8 Gen 2ではN4だったので新しい製造技術を用いて製造されています。Snapdragon 8 Gen 1はサムスンファウンドリの4nmプロセスに基づく4LPXで製造されましたが、高負荷な要件を要求された際に過度な発熱と性能低下を招き、その結果Qualcommは高性能な製品の製造をTSMCに委託するようになりました。

 

CPUは超高性能なCortex-X4を1基、高性能なCortex-A720を5基、高効率なCortex-A520を2基の1+5+2構成を採用しています。ただ実際にはCortex-A720は最大3.15GHzで動作するものが3基と最大2.96GHzで動作するものが2基なので、1+3+2+2構成と記載するのが正しいのではないかと思います。

 

GPUは最大903MHzで動作するAdreno 750です。あくまでも噂の域を出ないものではありますが、Snapdragon 8 Gen 2が採用したAdreno 740のクロック周波数を上げたものをAdreno 750と名前をつけているとされています。

 

 

AnTuTu Benchmark v10におけるSnapdragon 8 Gen 3の性能は、CPU性能が490,187点、GPU性能が917,749点、MEM性能が446,357点、UX性能が338,166点で総合性能は2,192,459点となりました。

 

CPU性能はSnapdragon 8 Gen 2から約16.6%の成長に成功しました。これはSnapdragon 8 Gen 3の高性能コアがSnapdragon 8 Gen 2と比較して1基増えたことが要因と考えています。

 

GPU性能はSnapdragon 8 Gen 2から約51.2%の成長に成功しました。前述の噂通り、Adreno 750がAdreno 740のクロック周波数を上げただけであれば数値としては約33.8%の高速化なので、Adreno 740のポテンシャルの高さが伺えます。もちろん、製造プロセスがN4からN4Pになっていることも要因のひとつです。

 

 

Geekbench 6におけるSnapdragon 8 Gen 3の性能は、シングルコア性能が2,359点、マルチコア性能が7,428点となりました。

 

シングルコア性能はSnapdragon 8 Gen 2と比較して約13.0%の成長に成功しました。しかし、この性能はCortex-X4とCortex-X3の性能を比較しており、Snapdragon 8 Gen 2とSnapdragon 8 Gen 1の場合は約20.1%の成長なのでやや成長が鈍化していると言えそうです。

 

マルチコア性能はSnapdragon 8 Gen 2から約26.3%の成長に成功しました。これはAnTuTu v10と同じく高性能コアが1基増えたこと、Cortex-A715とCortex-A710の構成からCortex-A720に統一したことが要因となって大きく成長することができたのだろうと考えています。

 

 

Snapdragon 8 Gen 3はSnapdragon 8 Gen 2から間違いなく成長しており、性能から見ても正統な後継製品と呼称しても問題ないでしょう。特にGPU性能の成長には目を見張るものがあります。

 

3nmプロセスを採用しないとの情報が流れたときは風向きがやや悪くなっていましたが、実機がこのような性能を発揮しているのが判明したので、「安定した」4nmプロセスを採用することの意味はあったと考えています。

 

過去の慣例からSnapdragon 8 Gen 3を搭載したは日本市場でも販売される見込みです。従来のSnapdragon 8 Gen 2を搭載した製品からの乗り換えはあまり必要ないと思いますが、さらに前のSnapdragon 8 Gen 1やSnapdragon 888 5Gを搭載した製品を所有している場合は乗り換えを検討してもいいのではないかと思います。