Qualcommが2021年10月に同時に発表したSnapdragon 778G Plus 5G、Snapdragon 695 5G、Snapdragon 680 4G、Snapdragon 480 Plus 5Gの4製品をAnTuTu Benchmark v9とGeekbench 5を用いて比較を行います。この中で5Gに非対応なのはSnapdragon 680 4Gのみです。
主な仕様は上の通りで、プロセス技術はSnapdragon 480 Plus 5GのみSamsung 8nmを採用し、CPUはSnapdragon 778G Plus 5GとSnapdragon 695 5GはCortex-A78を、Snapdragon 680 4GはCortex-A73を、Snapdragon 480 Plus 5GはCortex-A76を採用しています。
GPUはAdreno 642L、Adreno 619、Adreno 610、Adreno 619を採用しており、基本的に数字が大きいと優れた性能を発揮します。Adreno 642Lの“L”は「Adreno 642のLow製品」を意味し、Adreno 642はSnapdragon 780G 5Gが搭載しています。
AnTuTu Benchmark v9における総合性能は、Snapdragon 778G Plus 5Gが544,693点、Snapdragon 695 5Gが405,259点、Snapdragon 680 4Gが262,802点、Snapdragon 480 Plus 5Gは360,631点でした。
CPU性能は162,921点、124,230点、79,230点、107,092点で、Cortex-A78を採用したSnapdragon 778G Plus 5G、Snapdragon 695 5G、Cortex-A76を採用したSnapdragon 480 Plus 5G、Cortex-A73を採用したSnapdragon 680 4Gの順に優れました。
GPU性能は165,123点、102,102点、45,127点、86,644点で、前述の通りにAdreno 642Lが優れました。そして、Snapdragon 695 5GとSnapdragon 480 Plus 5GはAdreno 619で共通のため、後者の動作周波数は840MHz未満とわかります。
多くの媒体でSnapdragon “xxx”の部分が大きいと性能が優れると記載されていますが、Snapdragon 680 4GよりSnapdragon 480 Plus 5Gが優れているため、名称の数字で判断せず性能の数値で判断してほしいと思います。
Geekbench 5での性能はシングルコア性能が820点、676点、387点、541点で、マルチコア性能は2,948点、1,947点、1,688点、1,640点となりました。
シングルコア性能はCortex-A78 2.52GHzとCortex-A78 2.21GHz、Cortex-A73 2.40GHz、Cortex-A76 2.21GHzで世代と動作周波数通りの性能になりました。
マルチコア性能はSnapdragon 680 4GとSnapdragon 480 Plus 5Gに注目すると、前者がわずかにですが優れました。その要因はCortex-A73を4基、Cortex-A76を2基を採用しているためで、世代は後者が優れますが数の多さと動作周波数で優位点が発生しました。