サムスン電子の4nmプロセスと5nmプロセスの量産が安定化し、多くの企業から注文を受けていると韓国のメディアが報じました。
同社の4nmプロセスは、Snapdragon 8 Gen 1の4LPXと、Exynos 2200のSF4Eで35%未満の低すぎる歩留まりを経験しましたが、現在は60%程度まで量産を安定させたようです。しかし、競合他社の台湾のTSMCは70%から80%とされており、それと比較するとまだまだ低いのが現状です。
5nmプロセスの歩留まりが向上したことで半導体設計から量産まで行うターンキープロジェクトが増えているようで、また、4nmプロセスも同様に量産のための歩留まりが安定したことでプロジェクト推進の問い合わせが増えているようです。
そして、3月12日に公開されたサムスン電子の事業報告書によると、4nmプロセスの2世代目(SF4)と3世代目(SF4P)の量産を今年の上半期に予定していることが判明したようです。
SF4とSF4Pは初期生産に用いたSF4Eと比較して性能や消費電力、面積が改善された製造プロセスで、Pixel 8シリーズが採用するGoogle Tensor G3、Galaxy S24シリーズが採用するExynos 2400での採用が予定されています。
先端プロセスでの量産に苦労したサムスン電子ですが、4nmプロセスと5nmプロセスの量産が安定化したことによって逆襲が始まろうとしています。この量産の安定化によってTSMCに一矢を報いることができるでしょうか。