Galaxy S23シリーズの販売が好調なサムスン電子が、Apple出身の半導体専門家を獲得したと韓国のメディアが報じました。同社は自社開発SoCのExynosの完成度があまり高くない状況が続いており、その流れを断ち切ろうと様々な専門家を獲得しているとさまざまなメディアが報じています。
2023年1月、韓国のメディアは、サムスン電子がスマートフォン事業を担当するMX事業部にApple出身の半導体設計専門家のイ・ジョンソク常務を新規に獲得したと報じました。この人物はGalaxy専用SoCの開発のための重要な人物として獲得されたようです。
最近のサムスン電子は、2022年下半期からコア部門に外部の高級人材を起用する事例が増えており、これは同社会長のイ・ジェヨン氏の人材獲得を主とした立て直しが反映されたと報じられています。
新規に獲得したイ・ジョンソク氏は、2023年1月からMX事業部内の半導体構造設計を担当するAPアーキテクチャグループのグループ長として仕事をはじめたと伝えられています。この常務は25年も半導体設計産業で働いていたベテランのエンジニアで、1997年にサムスン電子に入社した後、韓国のTelechips、アメリカ合衆国のQualcomm、AMDを経てAppleで12年以上も半導体を設計していたそうです。
AppleではiPhoneやiPadなどのSoCのCPUを開発に関与したとされ、サムスン電子でも同様にCPUの開発を指揮すると見られています。AppleはArmアーキテクチャを利用した自社開発したCPUを採用していますが、サムスン電子のExynos SoCではArmが開発したCortex CPUを採用する見込みで、このCortexの性能を高く発揮しながら低電力に抑えるように調整を行うと考えています。
サムスン電子は今回獲得したイ・ジョンソク氏の他に、Qualcomm出身のチェ・ウォンジュン氏を迎え入れており、同士はMX事業部長の役職が与えられています。この人物もGalaxy専用SoCの開発に携わる予定で、本格的に自社開発SoCの復権に力を入れています。
Galaxy専用SoCを初搭載する製品はGalaxy S25シリーズと見られており、発表・販売は2025年になる見込みです。QualcommとSnapdragonと比較して性能が低い時が多かったExynosですが、2025年に同じ位置、もしくはより高い位置にいられるでしょうか。