Snapdragon 8 Gen 1を搭載したrealme GT 2 Proを発表したrealme、iQOO 9とiQOO 9 Proを発表したvivoは、当該製品の仕様にAdreno 730と記載していることがわかりました。“問題”ではありませんが、何故私が食いついたのかを書きたいと思います。
まず、QualcommはSnapdragon 8 Gen 1の仕様に“Qualcomm Adreno GPU”と記載しています。Snapdragon 888 5Gの場合はAdreno 660、Snapdragon 778G 5Gの場合はAdreno 642Lと記載されていますが、Snapdragon 8 Gen 1がこの表記を採用しているのは名称変更に伴った簡素化が要因です。
それを踏まえてXiaomi 12 Proの仕様を見ると、GPUはQualcommの記載に準拠して型番を記していません。Qualcommが公開していないGPUの周波数を記載する傾向にあるXiaomiですが、基本的にはQualcommの記載を採用しています。
そして、深澤直人氏が設計に関わっているrealme GT 2 Proの仕様を見るとAdreno 730と記載されており、Qualcommの記載と異なっています。ちなみに、Snapdragon 888 5Gを搭載したrealme GT 2のGPU欄にはQualcommの記載と同じくAdreno 660と記載されています。
そして、vivoが発表したiQOO 9とiQOO 9 Proの仕様はrealme GT 2 Proと同じくAdreno 730と記載されています。もう少し細かく表現すると“Adreno”と“730”の間に空白がない“Adreno730”と記載されています。
空白のない特殊な表現はiQOO Neo5 SEやiQOO 8 Proでは確認できず、iQOO 9とiQOO 9 Proのみが採用しています。意図した表記ではない場合は、いつか修正されるでしょう。
“Adreno 730”の記載をXiaomi、realme、vivoで比較しましたが、気になるのは「誤りであるのか無いのか」だと思います。この点に関しては私はQualcommの社員ではないので何か言う立場ではありませんが、言えることはSnapdragon 8 Gen 1がAdreno 730を搭載していることは“隠していません”。
Geekbenchでは開発者コードを利用すると少しだけ詳しく見られ、Snapdragon 8 Gen 1を搭載したrealme GT 2 Proやmoto edge X30、Xiaomi 12のGPU欄にはAdreno 730と記載されています。本当に隠したい場合はAdrenoのみの表記に出来ますし、仕様に表記しないよう採用企業に通達することも出来ます。
そのため、XiaomiはQualcommの記載に準拠しているだけで、realmeとvivoがAdreno 730と記載するのは問題がない可能性が高いです。今後、OPPOやOnePlus、SamsungがSnapdragon 8 Gen 1を搭載した製品を発表しますが、Adreno 730と記載してもしなくても問題ないと思います。