日本時間10月10日にGoogleのスマートフォンブランド「Pixel」の最新モデルとなるPixel 3とPixel 3 XLが発表されました。デュアルカメラが流行っている中シングルカメラを搭載したりSoCにSnapdragon 845を搭載するなどこだわりが随所にあります。
しかし思わぬところにこだわって欲しくないものが見つかりました。それはSnapdragon 845をアンダークロックしている点です。詳しく解説を行います。
Qualcomm Snapdragon 845 Mobile Platform(以下Snapdragon 845)はXiaomi Mi 8やOnePlus 6を始めとするフラッグシップモデルに搭載されているプラットフォームです。他にもMeizu 16thやSmartisan JianGuo R1と言った中国で1.5流や2流と呼ばれるメーカーでも採用している広く知られたものになっています。
CPUはARM Cortex-A75とA55をセミカスタムしたQualcomm Kryo 385を搭載し、クロック数は2.8GHz+1.8GHzとなっています。一方でPixel 3/Pixel 3 XLに搭載されているSnapdragon 845のCPUのクロック数は2.5GHz+1.6GHzです。つまりbigコアは0.3GHz、LITTLEコアは0.2GHzアンダークロックされています。
GPUもアンダークロックされているのかはわかりませんが参考としてXiaomiが公開したクロック数は710MHzなので、それ未満になっているとアンダークロックしていることになります。これはAnandTechやSoC事情に詳しい人によるストレステストで判明するのでもう少し待つ必要があります。
何故アンダークロックしたのかという点については発表会で明らかにしませんでしたが、他のSnapdragon 845の発表会と比べて決定的なものが無いことに気が付きました。それは冷却システムについてです。多くの発表会で冷却システムについて話していますがPixel 3/Pixel 3 XLの発表会ではありませんでした。
アンダークロックすることで冷却システムのスペースを確保し、何かに使用していると考えることが出来ます。分解レポートはiFixitやYouTuberのJerryRigEverythingが公開すると思うのでそのときに明らかになるでしょう。もし冷却システムが搭載されていれば何故アンダークロックしたのかが本当にわからなくなります。
更に、Geekbench 4ではPixel 3/Pixel 3 XLのスコアを発見することが出来ましたので、Snapdragon 845をオーバークロック(2.96GHz+1.8GHz)しているASUS ROG Phoneと、そのまま採用して液冷式の冷却システムを採用しているBlackShark SHARKと比較してみます。
シングルコア性能はBlackShark SHARKと比較して3%程度ダウン、マルチコア性能は10%程度ダウンしています。PUBGやフォートナイト(FORTNITE)などの3D処理を激しく使うゲームでは差が出てしまう可能性があります。リファレンス機でありながら他社と仕様が異なったSoCが搭載されているという点については開発者ではないので良いのか悪いのかわかりませんが、ゲームを開発するときにPixel 3/Pixel 3 XLを基準にすれば面倒なことになるのではないかと考えています。
ちなみにAnTuTuベンチマークのスコアはAnTuTuが公開したものによるとPixel 3は283,862点、Pixel 3 XLは286,594点で大きな影響は出ていません。
このスコアが平均点なのか最高点なのか、たまたま見つかったスコアを選択したのかわかりませんのでAnTuTuによって11月に公表される10月のスコアランキングで本当のスコアが明らかになります。
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