QualcommとMediaTekの両社が、最新SoCにTSMCの2nmプロセスを採用する予定であることが明らかになりました。また、それと同時に一部の仕様が明らかになりました。
中国の情報通の数碼閑聊站氏によると、QualcommはSnapdragon 8 Elite Gen 6と8 Elite Gen 6 Proに2nmプロセスを、MediaTekはDimensity 9600に3nmプロセスを、Dimensity 9600 Proに2nmプロセスを採用するようです。Qualcommの戦略と比べると、MediaTekは一歩引いた開発を行うように見受けられます。
両社が採用する2nmプロセスは詳細にはN2Pで、同氏によるとN2Pは3nmプロセスと比較して性能が10%から15%の向上、消費電力は25%から30%削減されるとしています。が、この数値はN3EとN2を比較したときのもので、N3EとN2Pの実際の数値は性能が18%の向上、消費電力は36%削減です。もしかしたらN3PとN2Pを比較したのかもしれません。
また同氏は一部の仕様を公開し、SM8950として開発が進められているSnapdragon 8 Elite Gen 6はCPUが2+3+3構成、GPUはAdreno 845 (GMEM: 12GB)で、LPDDR5X RAMをサポートし、System Level Cacheは6MBになると明かしました。気になる点は、GPUの末尾が「5」になっているところです。性能の高さに疑いはありませんが、この数字は高い性能を求めやすい価格で提供するSnapdragon 8sシリーズでよく見かけるため、最上位の「Elite」にその数字が出てくると心配です。
そして、SM8975として開発が進められている上位版のSnapdragon 8 Elite Gen 6 ProはCPUが2+3+3構成、GPUはAdreno 850 (GMEM: 18MB)で、LPDDR6 RAMとLPDDR5X RAMをサポートし、System Level Cacheは8MBになるとしています。CPUは通常版と同じ構成を採用し、GPUは末尾が「0」で前モデルのAdreno 840から順当な進化と素晴らしいものですが、ここでの注目点は最新のLPDDR6 RAMのサポートでしょう。
現時点のLPDDR6 RAMのデータ転送速度は10667MbpsでLPDDR5X Ultra Proと同じですが、扱えるデータの量が大幅に向上し、4x16-bit環境でのLPDDR5X RAMの帯域幅は85.3 GB/sですが、4x24-bit環境のLPDDR6 RAMは114.1 GB/sで約33.7%も向上しています。また、LPDDR6 RAMは更に高い12800Mbps (136.5 GB/s)と14400Mbps (153.6 GB/s)が計画されており、更なる発展が期待できる規格です。このRAMの採用により原神や鳴潮、近くリリースされるNTEなどが更に快適になることがほぼ確実です。
そして、上位版のSnapdragon 8 Elite Gen 6 ProはL2 Cacheに関する情報が公開され、16MBになると明かされました。前モデルのSnapdragon 8 Elite Gen 5が24MBのため、16MBであればスペックダウン間違いなしなので、実際にはPrimeが16MBのL2 Cacheを持っていると解釈するのが適切でしょう。それを踏まえると、16MBと16MBと16MBで48MBになりますが、これでは革命が起きているので追加の情報が必要です (考えられるものとして3+3の部分が同じCPUであれば16MBを共有し、Primeの16MBと合わせて32MBになるので、こちらはかなり現実的な数値です)。
さらに、中国の情報通の定焦数碼氏によると、Snapdragon 8 Elite Gen 6と8 Elite Gen 6 ProはLPE (Low Power Efficiency)コアを採用する予定と明かされました。LPEコアはIntelが2023年12月に発表したMeteor LakeことIntel Core Ultraシリーズ1で採用されたことで記憶に新しいですが、これは負荷の小さい要件を処理することに長けているコアです。このコアの存在によって、CPUが不必要に動かず省電力性が期待でき、数値には表れにくい実使用の面での向上が行われるでしょう。
なお、Snapdragon 8 Elite Gen 6と8 Elite Gen 6 ProのCPUは共通して2+3+3構成を採用していますが、この内のどれかがLPEコアになるのではなく、別のものが追加されると考えています。この辺りの情報も追加のものが必要で、これからの情報に注意していきます。
数碼閑聊站氏はSnapdragon 8 Elite Gen 6だけではなくDimensity 9600 Proの仕様を明らかにしており、CPUは2+3+3構成を採用し最大5.00GHzに近い数値に、LPDDR6 RAMをサポートし、UFS 5.0ストレージをサポートすることが判明しました。LPDDR6 RAMのサポートは最上位SoCにおいては必須となるようです。
CPUはコードネームが記載されており、CanyonとGelas-bとGelasを採用するようです。前モデルのDimensity 9500がC1-Ultraを採用したので、CanyonはC2-Ultraを指し順当に進化するでしょう。しかし、GelasはDimensity 9500も搭載しているC1-Proのコードネームなので、C2-Proを採用しない可能性があります。「-b」の意味はわかっていませんが、Gelasベースなのは確実なので、C1-Premiumを採用せずC1-Proに関連するものを採用すると考えています。
GPUはArm Magniとしており、詳細な名称は不明です。ちなみに、Dimensity 9500が採用したMali G1-UltraのコードネームはDrageです。順当に考えればMali G2-Ultraになると思いますが、採用する数が不明なため、まだまだ追加の情報が必要です。
さらに同氏はSnapdragon 8 Elite Gen 6の仕様を公開し、L2 Cacheが16MBであること、GPUが6スライス構成のAdreno 845を採用すること、UFS 5.0ストレージを採用することが明らかになりました。L2 CacheについてはSnapdragon 8 Elite Gen 6 ProとCPUが共通しているので、上記で考察したとおり総計で48MBか32MBになると考えています。わざわざ上位版を作るくらいですので、構成とキャッシュの部分での差はありませんが、明かされていない動作周波数の部分で差が出てくる可能性はあります。
GPUは6スライス構成を採用することが明かされ、2024年10月に発表されたSnapdragon 8 Eliteと2025年9月に発表されたSnapdragon 8 Elite Gen 5の3スライス構成から大幅な進化を遂げることが判明しました。この構成は、PC向けのSnapdragon X2 Elite及びX2 Elite Extremeの4スライス構成よりも多いため、間違った情報なのではないかと疑うほどの異次元の開発を実現しています。
奇しくも、QualcommとMediaTek共に最新の最上位SoCが2+3+3構成のCPUを採用します。両社は頂点に立つために異なる設計思想を採用していましたが、高い性能を発揮する目標の結果、2+3+3構成が適していると判断したのでしょう。採用するものは異なりますが、同じ構成を採用するのはおもしろいです。
そして、数碼閑聊站氏によると両社の最新SoCを搭載した製品は2026年9月に登場するようです。発表されるのも同じ月だと予想されており、昨年はSnapdragon 8 Elite Gen 5が発表された数時間後に初搭載製品のXiaomi 17シリーズが発表される異例の戦略がありました。
今年はどのような戦略が立てられるのか不明ですが、Snapdragonに関してはXiaomiが、Dimensityに関してはvivoもしくはOPPOが初搭載するのは間違いないでしょう。日が進んでいくと更に詳細な情報が明かされていくと思うので、これからの情報に注目です。








