MediaTek Helio G70(MT6769)を搭載したrealme C3(RMX2027)が先日発表され、本日の日本時間15:00で情報解禁となったため、AnTuTu Benchmark v8のスコアが判明しました。今回判明したスコアを、MediaTek Helio G90T、Qualcomm Snapdragon 665、Samsung Exynos 9611、Huawei Kirin 810と比較します。
Helio G70のスペックは製造プロセスが12nm FinFET、CPUが2xA75(2.0GHz)+6xA55(1.7GHz)、GPUはMali-G52 2EEMC2(820MHz)です。Helio G70はHelio G90T(and G90)の廉価モデルに位置し、CPUとGPUがダウングレードされています。
比較対象としてSnapdragon 665、Exynos 9611を選択したのは、realme C3が6,999インドルピー(約11,000円)の価格設定になっており、Snapdragon 665を搭載したRedmi Note8が9,999インドルピー(約15,500円)、Exynos 9611を搭載したGalaxy M30sが13,990インドルピー(約21,500円)で販売されており、realme C3はおおよそこのあたりを仮想敵にしているのではないかと推測したためです。Kirin 810は目に見えてスペックが高いですが、Huawei(+Honor)の現状におけるミドルレンジ帯プロセッサーということで比較対象に加えています。
MediaTek Helio G70のAnTuTu Benchmark v8のスコアはCPU性能が72,154点、GPU性能が37,549点、MEM性能が43,076点、UX性能が39,193点、総合性能は191,972点となりました。Snapdragon 665よりもスコアが高く、細かく見ていくとGPU性能とUX性能に大きな差があることがわかります。この2つの性能に違いが出るとゲームプレイ時の安定度、アプリを開くときのスピードに差が生まれますので、日常使用における快適度に関わりがあります。このため、Snapdragon 665搭載機よりもHelio G70搭載機のほうが快適性が高い可能性があります。
Geekbench v5ではシングルコア性能が350点、マルチコア性能が1,259点となっており、シングルコア性能ではSnapdragon 665とExynos 9611よりも優れています。マルチコア性能ではLITTLEコアが1.7GHzなので、1.8GHzに設定されているSnapdragon 665や2.3GHz+1.7GHzに設定されているExynos 9611には負けてしまいました。
Helio G70そのものの性能に目をみはる物はありませんが、大きな特徴は何と言ってもrealme C3の価格に尽きるでしょう。3GB+32GBモデルが6,999インドルピー、4GB+64GBが7,999インドルピー(約12,000円)に設定されており、普段の使用はもちろん、ゲームプレイに関しても問題に出ないスマートフォンが約10,000円で購入できるというのはMediaTek製SoCだからこそ生まれる価値だと考えています。
ミドルレンジ市場にまた価格争いが生まれるSoC、Helio G70が誕生しました。2020年のミドルレンジ市場から目が離せません。